Kanon another1”snowdrop”第38話
第38話 全ては黄昏のなかへ(中編)
水瀬家の時計の針が10時半ごろを指したときだった。
ぴんぽーん。
二人しかいない静かな空間の中にチャイムの音が響いた。
「真琴・・・悪いけど、今手が離せないから・・・出てくれるかしら?」
キッチンからの秋子の声に、寝転んで漫画を読んでいた真琴は「あうーっ」と情けない声を上げながらも、起き上がり、玄関へと向かった。
その足取りは寝転んでばかりいるためか、すこしおぼつかないものだった。
「・・・もう・・・えと、その・・・どちらさまですか?」
慣れない言葉を紡いでみる。
すると、ドアの向こうから、聞いたことのある声が聞こえてきた。
「え・・・と・・・あゆ・・・だけど・・・真琴ちゃん、だよね?」
「・・・・・うん・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・あの〜開けてくれないかな」
「あうっ・・・ごめん・・・」
真琴は、慌ててドアを開いた。
しかし、そこに立っていたのはあゆだけではなかった。
「おはよう、真琴ちゃん」
「おはよう、真琴君」
月宮あゆの後ろには、紫雲の姉であるところの命が立っていた。
その表情は、いつもと同じ、何処か冷めたものだった。
二人は以前、紫雲が入院していたときに何度か会っているのだが、その表情のせいもあって、人付き合い自体殆どない真琴にとってでさえ、苦手な人の一人だと認識させていた。
・・・それは普通の人にとっての”特に”に該当するぐらい、である。
「秋子はいるか?」
「へ、は、その・・・うん、いる」
「そうか。ではあがらせてもらおう。いいか?」
「えと、その・・・うん」
こういう状況に慣れていない真琴は、半ば勢いだけで返事をしてしまっていた。
そんな真琴を尻目に二人は各自”お邪魔します”を言って、勝手な感じで家に上がっていった。
真琴もまた、そこにいる理由がなかったので、ドアを閉めて、先程までの定位置に帰っていった。
その頃、紫雲たちの学校の職員室で・・・
「・・・つまり、何か?」
紫雲や祐一たちの担任である石橋は、左手で頬杖をついたまま、頭をぼりぼり掻いて、唸るように言った。
「その子を、明日学校に連れてくるから、一日だけ、普通に授業を受けさせて欲しい、と?」
石橋はキィッと椅子を半回転させて、そこに立つ生徒に向き直った。
生徒・・・紫雲は、こくんと頷いて、「ハイ」と力を込めて答えた。
石橋にはその様子があまりにも演技じみて見えた。
・・・・・・・・・あまりにも、紫雲が真剣だったからだ。
「・・・事情は・・・説明できないのか?」
「できないことはないですが・・・事実をありのままに話すと信じないでしょうし、かといって嘘もつきたくありません。ので、言えません。
申し訳ありませんが・・・」
そう言って、紫雲は頭を下げた。
「ああ、もう・・・お前は真面目すぎるなあ・・・いいから頭上げろ」
「・・・はい。・・・・・それで・・・駄目、なのですか?」
「・・・・・ぶっちゃけた話・・・俺は別にいいと思うが・・・一応、許可はもらっておいた方がいいだろうな・・・俺は校長に話を聞いておくから、お前は生徒会の方に聞いておけ」
「・・・なんで生徒会にまで聞くんです?別に学校側だけでもいいと思うんですけど・・・」
「ところが、そうはいかんのだ。ここの学校の生徒会が特殊なのはお前も知っているだろう」
この学校の生徒会のメンバーは、ここの運営を支えている者の子供が多い。
・・・生徒会に入っているというのは、大学の推薦などにも役に立つので、基本的に親馬鹿なお偉方がこぞって入れたがり、子供にそれを強要した結果そうなったのだ。
そのため、学校側はそんなメンバーで構成された生徒会にややイニシアチブを取られがちだったりする。
「そんな感じだから、下手に無視するよりも、確実に許可をもらっておいた方が後々の面倒はなくていいだろう」
「・・・そうですね。わかりました。ではすみませんがそちらの方はよろしくお願いします」
「おう」
紫雲は深々と頭を下げると、職員室から出て行った。
それを見送った、石橋に隣に座っていた教師が話し掛けた。
「面倒事が嫌いな貴方が、珍しいですねえ」
「え、まあ・・・」
「・・・今のが、草薙紫雲、ですか?」
その教師がそう聞くのも無理がないことを石橋は知っていた。
かつての紫雲のことを知らない教師はこの学校にはいない。
・・・実は紫雲は、学校側に”不良生徒”舞につぐ危険人物として、マークされている存在だったりする。
それはさておいて石橋は答えた。
「ええ、そうですよ。・・・見えないでしょう?」
「ええ・・・むしろ、真面目でいい奴っぽいですよね」
その言葉に石橋は頷いた。
そう。
本当は誰がどう見ても分かるほどに、そういう人間だから。
(まあ、多少の面倒ごとぐらいは、我慢してやるさ・・・)
その言葉を胸のうちで呟いて、石橋は席を立った。
少し、時は流れて・・・
再び水瀬家。
そのリビングルームには・・・重い空気が流れていた。
「・・・あゆちゃんは・・・本当にそれでいいの?」
長い沈黙の後、口を開いたのは秋子だった。
その秋子の問いにあゆは・・・笑って答えた。
それは、偽りもなければ、苦しみもない・・・それゆえにそれを目の当たりにする人間にとっては、悲しい・・そんな笑顔だった。
「秋子さん。ボクはこれでいいよ。もう、たくさんのものをもらったから」
「・・・あゆちゃん・・・いいのよ、無理しなくても・・・まだここ・・・」
「秋子っ!」
命の叫びが秋子の言葉を遮った。
「命?」
「お前らしくもない・・・分かって、いるはずだ。それが気休めだって事は。
・・・夢は・・・終わらなくちゃいけないんだ・・・」
「・・・・・・」
「・・・それに、これは最初から”あいつ”も言っていたことだ。
・・・・どうなるかわからないが彼女の気持ちを成就させる、と。
あゆは・・・今、安らかな気持ちでいる・・・これは、違うのか?
苦しみのなかで消えるわけでもなく、
納得のいかないままに消えるわけでもない・・・
これ以上の形はあるのか?
それともなにか?まさか、このまま彼女に生き続けろというのか?」
「・・・・・」
・・・秋子は無言で顔を俯かせた。
分かっていた。
この形は、終わらせなくてはならない。
それは必然であることは。
しかし、それならば、一つ聞かねばならないことがある。
「紫雲さんは・・・これを知っているの?」
秋子のその問いは、静かなリビングに微かに響くような一つの波紋を広げていった・・・
再び、学校。
時刻は、昼を回り、昼休みの半ば頃をさしていた。
紫雲は、一人の男と向かい合っていた。
その傍らには何故か、佐祐理も立っている。
・・・紫雲が頼み込んで、昼ご飯も半ばで連れてきたのである。
・・・その役目は・・・いわゆる、仲介人だった。
「というわけで、久瀬。許可をもらえないか?」
紫雲の目の前に立つ男・・・久瀬は生徒会の中心である。
彼に許可さえ取れれば、生徒会のメンバー全てに許可をもらう必要もないだろう・・・紫雲はそう判断していた。
久瀬は・・・どこか見上げるような、それでいて見下しているような曖昧な視線で紫雲を、そして佐祐理を見たかと思うと、一言、答えた。
「・・・まあ、いいだろう」
この言葉には、紫雲も佐祐理も驚いた。
(絶対なんか難癖か条件をつけてくる・・・)
二人とも8割方そう思っていたのである。
「・・・どうした?用はそれだけなのだろう?」
「・・・ああ。それはこっちにおいといて一つ聞きたいんだが」
「なにかな?・・・もしかして、何で難癖をつけないのか、とかかな?」
「まさに、それ」
「あはは・・・」
佐祐理は笑っていたが、その額には一筋の汗が浮かんでいた。
そんな二人を交互に見て、久瀬はため息をついた。
「・・・君は、僕をなんだと思っているんだ?
確かに僕はかつて君と対立していたし、川澄を追い出そうともしていた。
でも、僕だって、そうしたくてしていたわけじゃない」
そう言う久瀬はいつもと同じに見えた。
しかし、その瞳の奥には、微かにだが、苦悩が見え隠れしていた。
親が権力者であるということ。
その期待に応えねばならないということ。
かつての自分と同じモノを久瀬の瞳の中に垣間見て、佐祐理は目を伏せた。
「・・・そうする理由がないときくらい、僕だって偽善的なことをするさ」
「・・・そうか。悪かったな」
「別に。そういう風に思われる事には慣れてる」
「・・・ありがとう」
紫雲は笑って、言った。
佐祐理は深々と頭を下げた。
久瀬はそれに答える事無く背を向けて歩き始めた。
その顔が赤かったりすることは、誰も見ることはなかった。
ましてや彼の心のうちなど・・・誰も知る由などない。
「・・・・・ありがとう、か・・・悪くない・・・」
その呟きは、昼休みの喧騒の中に消えていった。
「せっかくきてもらったのに、すみません」
久瀬の背を見送った後、紫雲は言った。
佐祐理は首を横に振って、答えた。
「いいえ〜いいものを見せていただきました。
・・・それはそうと紫雲さん。・・・」
あゆさんはどうかなされたのですか?
そう、佐祐理は尋ねようと思った。
しかし、それは聞いてはいけないような気がして、それ以上口を開くことが出来なくなってしまった。
「・・・佐祐理さん?」
「いえ、その・・・ご一緒にお昼でもどうかな、と思いまして」
「・・・すみません。これから行かなくてはいけない所があって・・・」
「そうですか・・・残念です・・・舞も残念がりますよー」
「さっき、昼ごはんを中断されて鬼のような目で見られましたけど・・・」
「あ、あははーっ」
「・・・それじゃ」
そう言って、佐祐理を置き去りに、紫雲が向かったのは学食だった。
「え?制服のあまり、ですか?」
デザートのバニラアイスを食べる手を止めて、栞は紫雲の顔を見つめた。
紫雲はうんうんと頷いて、言葉を続けた。
「持ってないかな?僕の知り合いであゆと体格的に一番近いのは栞ちゃんくらいなもんで・・・」
「・・・それは、そうですけど」
「確かに、幼児体型同士だしばっ?!!」
香里の一撃で北川が意味不明の言葉を残し、息を引き取った。
「引き取ってないぃぃぃ」
「何言ってんだか・・・月宮さんがここにくるの?」
香里は北川のことなど振り向きもせず、尋ねた。
「ああ。行きたいって言うから」
「・・・見た目通りに尽くすタイプなのね貴方って・・・まあ、いいわ。
制服ならあたしのを貸してあげる」
「え、でも・・・」
「サイズなら問題ないわ。間違って注文したやつをとっておいたのがあるから・・・後で届けに行くわ」
「いいよ、僕が・・・」
その紫雲の言葉を、香里は少し大げさに、手で制した。
「ストップ。借りを返したいんだから気にしないで」
そう言って香里は微笑んだ。
そんな笑顔に男性陣が見惚れたのは言うまでもなかった。
・・・その日の放課後、石橋が校長から許可をもらったをむねを紫雲に伝え、紫雲は全ての手回しが終わったことに安堵した。
「『恋はいつだって唐突だ』・・・ねえ、真琴ちゃん」
水瀬家の、真琴の部屋にあゆはいた。
壁を背もたれにしているその横には真琴がちょこんと同じように座っていて、あゆが持つ漫画に集中していた。
その頭には猫・・・ぴろと名付けたらしい・・・が乗っかっていた。
「なによぅ」
「・・・これで、十回目だよ・・・・確かに遊ぼうって言ったのはボクだけど・・・そろそろ別のことで遊ばない?」
あゆは一人で退屈そうにしている真琴に、遊ぼうと持ちかけた。
すると、真琴は漫画を読んでほしいと頼んだ。
(一人で読みたいんだけど、読めない字があって・・・)
照れながらそう言う真琴が可愛くて、あゆは快くそれを承諾した。
・・・と、そこまでは良かったのだが、さすがにそれが十回も続くと、さしものあゆも辛かったりする。
「いや」
真琴は迷い無くきっぱり答えた。
あゆはかくっと肩を落としたものの、
「うぐぅ・・・分かったよ。ボク、頑張る」
といって再び、漫画の朗読を始めたのであった。
「・・ありがとっ」
真琴は満面の笑みでそう言った。
そうこられると、あゆとしてはますます頑張らねばならなかった・・・
そして、夜が訪れた。
「栞ちゃん、わざわざありがと」
紫雲はそう言って、栞に笑いかけた。
その手には栞から手渡された制服の入った袋があった。
草薙家の玄関先で、二人は街頭に照らされながらそこに立っていた。
空はもう暗い。
雪はふっていなかったが、風が少し冷たかった。
「ストールが飛ばされそうになって、大変でした」
そう言って栞はにっこりと笑う。
「それは災難だったね・・・ところで香里さんは?香里さんが来るんじゃなかったの?」
「私が行きたかったからお姉ちゃんに頼んで、そうしてもらったんです」
「へえ、そりゃまたなんで?」
「・・・あゆさんにちょっと会いたくて・・・草薙さんのお家にいると聞いたものですから。いま、いらっしゃいますか?」
「いや、まだ帰ってきてない。真琴ちゃんと遊んでるって姉貴は言ってたけど・・・」
何故姉が今日休んでいるのか、何故あゆが真琴と遊んでいるのか、疑問には思う紫雲だったが、さして気にはならなかった。
「真琴・・・ああ、祐一さんのところにいるっていう記憶喪失の女の子ですよね。・・・ドラマチックですね」
「おいおい」
「冗談です」
「・・・本気に聞こえたんだけど・・・」
「そんなこと言う人嫌いです」
「ごめんごめん。ところで、どう?上がっていく?夕飯ご馳走できるけど」
家のほうをくいっと親指で指して、紫雲は尋ねた。
「いえ、あゆさんがいないのでしたら、帰ります。せっかく誘ってくれたのに申し訳ありませんけど」
「そっか、残念だな。まあ、あゆは明日学校に来るから、その時にでも・・」
「はい、そうさせていただきますね。それでは、これで。・・あ、送らなくてもいいですから」
「そうかい?・・・気をつけてな」
「はい。では、今度こそ、さよならです」
ぺこりっと可愛らしくお辞儀をして、栞は薄闇の中に消えていった。
・・・紫雲からその姿が見えなくなった頃。
「・・・・はあ・・・はあ・・・」
栞は、息も荒く、その場にしゃがみ込んだ。
「ちょっとはしゃぎすぎたかな・・・」
そう呟いて、壁に寄りかかりながらも、栞は立ち上がった。
そして、何事も無かったように歩き出す。
しかし、それは栞の主観でしかなく、実際、その足取りはかなり辛そうだった・・・
時は来る。
「じゃ、ボクはこれで。じゃあね、真琴ちゃん」
「うん・・・また、ご本読んでくれる・・・?」
「・・・うん。また会えたら、ね」
水瀬家の玄関で、そんなやり取りがかわされた。
あゆは笑顔で、真琴はどこか寂しそうにしていた。
「そんな顔しないで。女の子は笑顔が一番なんだよ」
あゆはそう言ってぽんと真琴の頭の上に手を乗せた。
真琴はそれを振り払うこともせず、答えた。
「あう・・・頑張ってみる・・・」
それを聞いたあゆは満面の笑みを浮かべた。
「うん。・・・バイバイ真琴ちゃん」
あゆは大きく手を振りながら、どんどんその姿を小さくしていき、やがて見えなくなった。
それを見送った真琴は、ふと今日のことを思い返した。
朝から体が重かった。
昨日までは読めていたはずの漫画が読めなくなっていた。
紫雲の姉とあゆが尋ねてきた。
あゆがいなくなってしまうらしかった。
そんなあゆが漫画を読んでくれた。
それらは真琴にある一つのことを連想させていた。
「もう、時間が無い・・・」
真琴のそんな言葉は風に舞って消えた・・・
どんな者にも、そのときは必ず訪れる。
・・・そして、草薙家。
夕食の席。
三人がそろって食べる、最初で最後の食事。
メニューはしゃぶしゃぶ。
人数分よりもはるかに多い具を用意した。
その席は、とてもにぎやかだった。
鍋の中の具を見苦しくも取り合った。
「あっそれは僕の肉!!」
「違うもん、ボクのだもんっ!」
「ふふ・・・そんな台詞は働いてから言うものだっ!」
それは、まぎれもなく、家族の風景だった。
「はははっ・・・」
「あゆ・・・?今、泣いて・・・?」
「うん、笑いすぎちゃって・・・」
「それは奇遇だな。私もだ」
「嘘付け、流す涙なんかないくせ・・グハッ!!」
「し、紫雲君、大丈夫・・・?」
「フン、この程度でこいつはくたばったりはしない。ところで、酒でもどうだ?」
「ええっ?!」
「おい、こらっへんなことを吹き込むなっ!!」
「バーか、冗談だ」
「くううぅぅぅぅむかつくーっ!」
「ははは・・・」
その鍋はほんの少しの具を残してその蓋を閉じられた。
それが・・・それが悲しく見えたのは・・・
・・・一体、誰だったのだろうか・・・・・?
「なあ、あゆ」
二階のベランダで、夜空を一緒に眺めながら、紫雲は口を開いた。
「ん?なにかな?」
振り向いたあゆは笑顔で応じた。
「なんで・・・学校に行きたいだなんて言い出したんだ?」
その紫雲の問いに、あゆはその笑顔のままで答える。
「見て、みたかったから。
感じてみたかったから。
・・・紫雲君や祐一君や名雪さんが日々を過ごすその場所を。
ただ、それだけ、だよ」
「そっか・・・さて、そろそろ寝るかな」
「うん、そうだね。すっごく楽しみだから眠れないかも・・・」
「ははっそれはありそうだな」
「うぐぅ・・・笑わなくてもいいのにぃ」
「それじゃ・・・」
そう言って、紫雲は背を向けた。
「し、紫雲君っ!」
思わず、あゆはその背に呼びかけていた。
紫雲はゆっくりと振り返った。
「なに?」
その顔は、いつものとおりだった。
穏やかで、優しそうで、そして・・・
・・・何も知らない。
今日、あゆが何を思っていたのかを。
今日が、最後の夜だということを。
そんな紫雲に、あゆは・・・
「・・ううん。なんでもないよ。おやすみ」
笑顔で、言った。
言うべきだった言葉を、胸の奥に閉まって。
紫雲も笑顔で言った。
「ああ、おやすみ」
そして、紫雲はもう振り向く事無く、自分の部屋に帰っていった。
一人残されたあゆは・・・
「ボクって、バカ・・・・・」
そう呟いて、夜空を見上げた。
それは、別れのとき・・・・・
そして・・・夜は明けた。
・・・後編に続く。
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