第四話 資格と資質(前編)



北川潤。

彼はその日、二つの存在に遭遇した。

一つは怪人。
北川自身は知らないが、パーゼストと名付けられている化け物。

北川はその存在が人を襲う所を目撃した。
それを助けたいと思い、身体から湧き上がる恐怖を堪え、挑みかかった。
だが、何もできなかった。
何もできず、ただ軽く振り払われただけで投げ飛ばされた。

そして、痛みで動けずにいたその時、そこにもう一つの存在が現れた。

その存在・・・二人は、自分の顔見知りだった。
一人はベルトを内部から生み出し、一人は外部から装着し。
・・・変身した。

彼らは、圧倒的な力で怪人をあっさりと屠った。
自分は何もできなかったのに。
そして、彼・・・北川の友人である相沢祐一は言った。

「俺も、仮面ライダー、なんだからな」

その名は知っていた。
そして、あの姿はまさにその通りだと思った。

あの姿に、なりたい。
彼は、北川潤は心からそう思った。







「それでね、その人があっという間に化け物をやっつけたんだよ!」

あゆは少し興奮気味にそう言った。
その時の事を思い出しながらなのか、勢い余ったその姿に、名雪は目を瞬かせ、祐一は、はあ、と深い息を吐いていた。

大学の帰り道、買い物に出ていた名雪と祐一は、同じように高校の帰り道を歩いていたあゆと偶然遭遇した。
・・・まあ、正確なところを言えばあゆは帰り道ではなく寄り道だったのだが。

滅多に会わない事もあって、せっかくだから少し話をしようと近くのファーストフード店に三人は入った。

そのファーストフード店。

そこが、この間の謎の爆発事故が起こったとされる店の支店だった事から話が始まり。
その際の怪人目撃談、怪人の存在の有無についてのメディア論議へと話題が流れ、ついにはあゆ自身が怪人に襲われた事に話が及んだのである。

その辺りの話をしたときの祐一たちの表情は複雑なものだったが、少し興奮気味だったあゆはそれに気付かなかった。

「その後、その人はあっという間にいなくなっちゃって、ちゃんとお礼を言えなかったんだ・・・」
「あ、えーと、その・・・」

あゆの勢いに押されて、今の今まで話に入るきっかけを掴めないでいた二人だったが、あゆがしゅんとしたその時、ようやっと口を開く事ができた。

「その人って、紫色の眼の黒い人?」
「それでいて、黒と紫色のバイクに乗ってた二枚マフラーの嫌な奴だろ」
「・・・どうして知ってるの?」

あゆは不思議そうな表情で二人を見比べるように交互に見た。

名雪があの姿を見たのは一度だけだが、忘れようはないし、他にそういう存在がいるとも思えない。
祐一はその姿の存在に辛酸(そう思っているのは祐一だけだが)を舐められさせていたから忘れようがない。

「ねえ。もし、その人の事知ってるなら教えてくれないかな?
ボク、ちゃんと会ってお礼を言いたいんだ」

自分の事をボクと呼ぶ珍しい少女を眺めながら、名雪は少し考えた。

『彼』の事を誰かに教えていいのかどうかの判断がつかなかった。
とはいえ、あゆが悪意を持っている・・・そんな事は絶対にありえない以上、断りにくいのも確かだった。

「あゆちゃん、どうしてもお礼が言いたいの?」

悩んだ末の名雪の言葉に、あゆは深く頷いた。

「うん。だって命を助けてもらったんだよ。それって、大事な事だと思う」

かつて生死の狭間を彷徨ったあゆ。
だからこそ、その言葉は真摯で、断りようがなかった。

「・・・祐一、どう思う?」

念のため・・・そのぐらいの考えで名雪は祐一に意見を求めた。
祐一はそれに対し、何処かぶっきらぼうに答えた。

「別にいいだろ、礼を言うくらい。あいつなら喜んでやってきそうだ」
「・・・そうだよね」

名雪はそう呟いて、取り出した携帯のアドレス帳を開いた。

その時。
何かのメロディーが小さく鳴った。

「ん?あ、俺のか」

それが自分の携帯の着メロである事に気付いた祐一は大きめの鞄の中から携帯を取り出して、開いた。
そこには、自分の友人の名前が書いてあったので、躊躇うことなく電話に出た。

「よう、何か用か?・・・なに?・・・・そりゃいいが・・・わかった。今何処だ?・・・なんだ、この辺にいるのか?・・・ああ、またもう少ししたらまた電話する。店の中だからもう切るぞ。じゃな」
「誰から?」
「北川から」

再び携帯をしまいながら、祐一は答えた。

「なんか、今日会えないかだと」
「どうするの?」
「暇だからな、少し行ってくる。それに・・・」

あゆの方をちらりと見て、呟く。

「・・・しばらく、あいつの顔は見たくない」
「祐一くん、それどういう意味?」

むくれた顔をするあゆに祐一は手を振って、否定の意を示した。

「違う違う。お前じゃなくて、お前の恩人にだよ」
「え?」

どういう意味かわからない、そんな表情のあゆに苦笑しながら祐一は席を立った。
そして、大きめのバッグを肩にかけながら、言った。

「んじゃ名雪。後は頼む。もし『何か』あったら連絡しろよ。すぐ近くにいるから」
「大丈夫。連絡するし、草薙君だっているんだから」

その言葉に含む意味を理解して名雪は言った。
祐一は渋い顔をしつつ、答える。

「・・・それが気に食わないんだけどな。
んじゃな、あゆ。タイヤキの食いすぎで太らないようにな」
「祐一くん!」

からかうように笑いながら、祐一は店を出て行った。








うち捨てられた工場の中に、二人の人間がいた。

「結局、もう一つのベルトの所在は分からない訳なんですか?」

その一人、草薙紫雲は自分のバイクのメンテナンスをしながら呟いた。
紫雲の後ろに立つ、もう一人の人物は答えた。

「ええ。探査は続けているけど難しい所でしょう。
彼らはベルトの波長を絶つ技術も持っているはずですから」
「でしょうね。
・・・人間という種そのものが危ないという時なのに・・・」

舌打ちせんばかりの口調で紫雲は漏らした。
その言葉に、もう一人の人物は目を伏せた。

「それもまた人間という種なのでしょうね。仕方がない・・・そう言ってしまうのは心苦しいですが。
・・・話を元に戻しますね、ベルトの捜索は今までどおりに続けます。
後、もう一つのベルトについては・・・」
「あれは・・・問題ないと思います」

それ言った瞬間、紫雲は少しだけ不機嫌そうな表情を浮かべたが、背を向けていたので彼女にはそれは見えなかった。

「それでも何かあった時は、僕が責任を持って事に当ります」
「はい。・・・結果として、姉がご迷惑をおかけして、ごめんなさいね」
「その台詞はお返ししますよ。こちらこそ、姉貴が迷惑かけているでしょうから」
「そんなことはありませんよ。命のおかげで助かっていることは多いですから。
それでは、私はこれで・・・あ」

女性は立ち去りかけた足を止めて、もう一度紫雲に向き直った。

「そうでした。・・・もう一つ、肝心な事を言い忘れていました」
「なんですか?」
「娘と甥を助けていただいて・・・ありがとうございます」
「・・・それが、僕のしたいことですからお気になさらずに。
それでは、気をつけてお帰りになってください・・・秋子さん」

紫雲は立ち上がって女性の顔を見つめながら、その言葉を告げた。

「ええ。あなたも気をつけて」

女性・・・水瀬秋子はそれに優しく微笑み返して、その場を後にした。
それを見送ってから、紫雲は溜息をついた。

「・・・しかし・・・問題は山積みだな・・・・」

片付けなければならない問題が多すぎる。
その上、それらはこちらから動くのは難しい事ばかり。

もう一度溜息をつきかけた時。

『〜♪』

軽快な調子の着メロが流れた。
それが電話設定の着メロであることに気付いて、紫雲は少し急いで懐に入れていた携帯を開いた。







「よう、久しぶりだな」

近付いてくる男・・・相沢祐一に、北川は軽く手を上げた。

「久しぶり・・・って、先週も会ったじゃないかよ」
「そ、そうだっけか?」

祐一の指摘に、北川は何処か落ち着かない様子で答えた。
その様子を祐一はなんとなく不審に思った。

「どうかしたのか、お前?」
「なにが?」
「なんか落ち着かないみたいだからさ。なんかまずい事でもあったのか?」
「そんなんじゃないって。それよりとりあえず何処かで飯を食おうぜ。話はそこでしよう」
「・・・俺は別に腹減ってないぞ」
「飲み物だけ頼めばいいだろ?」
「・・・わーったよ」

強行に否定する理由もなく、祐一は頷いた。
北川が先導し、二人が歩いていった、その先は。

「げ」
「なんだよ、嫌そうな顔して」

そこはさっきまで祐一がいたファーストフード店だった。
チラリと視線を向けると、名雪たちが同じ席で何かを話している様子が見えた。

「・・・他の場所にしないか?」
「いきなりなんだよ。変な事言う奴だな」
「別に何処でだって話はできるだろうが。いいから早くここから」
「・・・何やってるの?相沢君」

その声に言いかけた言葉を放っておいて振り向くと、そこには紫雲が立っていた。
名雪に呼ばれて律儀にやってきたのは明白だった。

祐一はふー、と息を吐いてから答えた。

「・・・別に何も」
「・・・そう」

別に敵という訳ではないのだが、割り切れないものがあって、二人は素っ気無い言葉を交わすのみだった。

「・・・って、そっちは・・・北川君じゃないか。久しぶり」

かつてのクラスメートの存在に気付き、会えた事が嬉しくて紫雲は笑った。

「あ、ああ。久しぶり」

だが、北川の挨拶は紫雲ほど明るいものではなかった。
その様子に、祐一と紫雲は様々な事を忘れて、思わず顔を見合わせた。







「あゆちゃん。こちら草薙紫雲君。多分、あゆちゃんが言ってた人だよ」
「・・・はじめまして、かな」

名雪の隣の席についた紫雲は微かに笑いながら言った。

「そうだね。・・・ボクは月宮あゆ。この間は本当にありがとう!」

満面の笑みでそう告げられて、顔を少し赤くさせた。
だが、それ以上に気になることがあった。

「・・・あれが僕だって、わかるの?」

あゆが出会った紫雲は、仮面ライダーとしての姿だった。
実質、あゆは紫雲の声しか知らない。
それで紫雲があの時の存在と同じだと確信できるものだろうか。

だが、あゆはあっさりとこう言った。

「わかるよ。だって感じが同じだから」
「・・・そっか」

それを聞いて、紫雲は嬉しそうに笑った。






そこから少し離れた席で、祐一と北川は向き合っていた。
あゆは一緒に食べようと言ったのだが、祐一がそれを拒否したのである。
不満の表情を浮かべるあゆだったが、北川が個人的な話をしたいからと頭を下げることで、納得したようだった。

「・・・で、何だよ、話って」
「ん、ああ・・・その・・・・」

北川は頭を掻いて悩んでいたが、意を決した様子で口を開いた。

「ああ、もう、単刀直入に言うぞ。
お前、あのベルト、どうやって手に入れたんだよ?」

その言葉に、祐一は目を丸くした。

「・・・なんだって?」
「あのベルトだよ。
・・・俺、見たんだ。お前と草薙が・・・変身して戦ってたところ」
「・・・そう、なのか?」

(・・・全然気付かなかった)

瞬間、否定しようかとも思った祐一だったが、そこまではっきりと見られている以上、それが無理なのは良く分かったし、北川の必死な表情からもそれは窺うことができた。

「ああ。お前らが逃がしてた人を助けようとしてさ、見事なまでにのされちまったんだ」

そう語る内に、テーブルに置かれた北川の拳が硬く握られていく。
それを見れば、今の北川の気持ちは理解する事ができた。

(・・・俺と、同じか・・・・)

祐一は心の内でだけ、そう呟いていた。

「なあ頼む。あの力、俺も欲しいんだよ。
どうしたら手に入るんだ?!教えてくれよ!」

自分の声が自然に大きくなっていった事にさえ気付かず、北川は言った。
そんな北川の気持ちは、祐一には痛いぐらいによく分かった。
それは、つい数日前自分が直面したものと同じだったから。
それが分かっている以上、祐一は本当の事を話すしかなかった。

「・・・俺も、よく知らないんだよ。
あのベルトにしたって、俺の両親から一方的に送りつけられたものなんだ」

祐一の言葉を聞いて、北川の顔に落胆の影が挿した。
その表情が痛ましく思えて、祐一は言った。

「事情を聞くんなら草薙に聞いた方がいいんじゃないか」
「それは・・・・・」

北川はそこで言いよどみ、視線を彷徨わせた。
それについて、祐一が何か言おうとした時だった。

ガタッと音が響く。
その音に振り向くと、紫雲が立ち上がっているところだった。
それに次いで、祐一の脳裏に情報が流れ込んできた。

「・・・っ」

息を飲みながら、懐に入れていた鍵を取り出す。
その鍵にはめ込まれた赤い石が明滅を繰り返していた。
・・・そんな祐一の様子を北川がじっと見詰めていた事に、祐一は気付かない。

「・・・悪いな北川。急用だ」

そう言って祐一は席を立って走り出した。
そのすぐ後。
北川もまた席を立った。






ファーストフードの近くの路上に停めてあったバイクの一台。
それにまたがった紫雲はヘルメットをつけようとして、その動きを止めた。

「月宮さん?どうかしたの?」

店から飛び出してきたあゆが紫雲に駆け寄った。

その理由を計りかねた紫雲はそんなあゆを眺めた。
あゆはまっすぐに紫雲を見据えて、言った。

「ボクも連れて行ってよ!」
「・・・僕が今から何をしに行くのかは説明しただろ。駄目だ」
「でも・・・人が危ないのに、何もできないなんて・・・・・それに襲われてる人が怪我してるなら、戦う人だけじゃなくて、その人を助ける人も必要じゃないの?!」

そのあゆの言葉は紫雲の胸に響いた。
嘘偽りはないし、その言葉にかけられている気持ちも無視できるものじゃない。
それでも、いや、だからこそ、彼女を「戦場」に連れて行くわけにはいかなかった。

それをはっきりと伝えようとしたその時。

「心配するなよ。俺が行くから」

そんな言葉が紫雲の横から響いた。
そのバイク、その姿は間違いなく祐一のものだった。

「相沢君」
「祐一くん!」
「先に行くぞ、草薙」

メットの下から一方的に告げて、祐一はバイクを発進させた。
あっという間にその背中は遠ざかっていく。
その背を見て、あゆは言った。

「どうして祐一くんが?!」
「・・・今は説明してる時間がないんだ。だから僕も・・・」

言葉を交わすあゆと紫雲の横を、別のバイクが猛スピードで走り去っていった。
あゆを説得していた紫雲がそれに気をはらう事はなかった。
・・・だから、それに乗っているのが誰かという事も、知るはずもなかった。







祐一がバイクを走らせる事しばし。
高層住宅が川の向こうに見える、そんな人気のない川原の土手。
『鍵』の示すままに進んだその先に”それ”・・・パーゼストはいた。
そして、その下には血塗れの人間が倒れていた。
地面に流れる血の量から、もう助からない事は明白だった。

「・・・くそっ!」

間に合わなかった。
だが、それを悔やんでいる暇はない。

バイクから降り立った祐一はバッグからベルトを取り出した。
その瞬間、祐一とバイクにフッ・・・と影がさした。

顔を上げかけた、その時。

「ぐっ!?」

祐一の脇腹に痛みが走った。
思わずベルトと鍵を取り落として、地面に膝をつく。

そのベルトと鍵を、誰かが拾い上げた。
必死に痛みを堪えながら顔を上げると、そこには自分の知った顔が立っていた。

「北川、お前っ!!」

祐一が叫ぶ。
頭に血が昇ったために北川が近づいてきた事に気付かなかった事、何故北川がそんな事をするのかが分からなかった事、それらがその声を荒げさせていた。

北川は祐一に申し訳なさそうな表情を返した。

「・・・悪いな相沢。でも、別に悪気があるわけじゃない」

言いながら、ベルトを腰に巻きつけた。
その視線の先には、パーゼストと、血塗れで倒れた人間。
北川の脳裏には、はじめてパーゼストと遭遇したときの事が浮かんでいた。

無力な自分。
理不尽な暴力。
それがただ許せなかった。

こちらを見上げるパーゼストに怒りの視線を叩きつける。
その北川の形相に、祐一は微かに息を飲んだ。

・・・北川が、叫ぶ。

「俺だって・・・俺だって、誰かを護りたいんだ!!
・・・変身っ!!」

北川の身体に赤と黒の光が絡み合う。
刹那の間に、その身体は仮面ライダーカノンに変わっていた。

「・・・・・・これが・・・・『ライダー』の力・・・・!!」

全身を駆け巡る、圧倒的なまでの力の奔流。
それを感じ取り、北川は昂揚した。
これならば、何も恐れる事はない。

あの時とは、違う。

「う、おおおおおっ!!!」

北川・・・カノンが、土手を走り下りながら、毛虫の怪人・・・キャタピラーパーゼストに殴りかかっていく。
その様子を、ベルトのない祐一はただ眺める事しかできなかった。
それが、祐一にある事を思考させる。

(・・・誰にでも、変身できるベルト・・・それなら、俺は相応しいのか・・・・?)

戦う決意に嘘はない。
ただ思うのは、より強くベルトを使える者が現れた時。
その者にこそ、ベルトは相応しいのではないかという考え。

北川も自分と同じ覚悟でこの戦いに臨んでいる。
それなら。
もしも北川が自分よりも戦う事に優れていたのなら。
戦う資格は、北川にこそあるのではないだろうか?

「はあっ!!」

北川の、カノンの拳は、身体を護るために強固に生成された体毛すらも破壊し、パーゼストの腹部に叩き込まれた。
そして、その力は怪人をやすやすと地面に転がせた。

「とどめだ・・・っ!」

北川が叫んで、腰低く構えたその瞬間。

「・・・え?」
「なにっ?」

カノンの全身が発光し、次の瞬間には北川の姿に戻ってしまっていた。
そして。

「う・・・があああああっ!!!」

北川は地面に倒れ、のた打ち回った。
その身体を掻き毟りながら、叫ぶ。
「痛い・・・!痛い・・・・!!なんだっ・・・・・?!なんだよ、これ!?」
「・・・北川っ!!」

その間に立ち上がっていたパーゼストは北川を持ち上げると、まるで人形のように投げ捨てた。
地面に叩きつけられた北川は苦悶の声を上げた。

「くそっ・・・どういうことだよ・・・?!」

しかし、今この場はそんな事を言っていられる状況ではなかった。

北川が投げ飛ばされた場所。
今、祐一が立つ場所。

その中間地点にパーゼストは立っていた。
そして。

「・・・!!」

パーゼストは、いまだ痛みで立てないでいる北川ではなく、祐一の方を見据えた。

逃がしはしない。

そう誇示するかのように、キャタピラーパーゼストは祐一に向かって歩き出した・・・・・!





・・・・・・・続く。





次回予告。

紫雲は語る。
「ライダー」について。
そうなる資格。そうなる資質。
それは、誰にとっての救いとなりえるのか。

「だから、俺が戦う!」

乞うご期待は、ご自由に!





第五話へ