「人が恋をしたいと思うように。
 世界もまた恋をしたいと思う。
 それは至極当たり前の事だと、君は思わないかい?」









evol"O"ve another side……EV"o"LOVE











それは、なんでもないような一日。


でも、その日。


世界は、停まった。






「ようこそ、境界の世界へ。霧里薫」
「……はぁ。此処は何処?
 っていうか、陸君と登校してた筈なんだけど、知らない?」
「平良陸は、違う世界に行ったわ。
 そして……貴女の知る世界はもう存在しない」
「なに、それ?」



それは、世界と世界の境界。



「ようこそ、平良陸。
 恋を知り、現実を知る者にして、見届ける者」
「なんのことだ……?」
「君は全てを見届けなければならない。
 いずれ、霧里薫と共に答を出す時のために」



それは、現実と夢の境界。



「……なんで私と陸君なのよ」
「それは、私と貴女がいずれ成る同一存在だから。
 そして、彼と陸君がいずれ成る同一存在だから」



異なる世界の邂逅。



「世界の、恋? 世界が恋をするっていうのか?」
「人の恋は基本的に人を対象とする。
 なら、世界の恋のお相手は世界だろう。
 あくまで基本的だがね」



ザ・ワールド・クロスブレイク。



「……人の恋は完全じゃない。
 疑心、感情の変化、唯一ではない愛。
 何故それらが起こると思う?
 そして、それを無くしたいと君は思わないか?
 その為に、世界の恋が必要なのさ」




プログラム……EV"o”LOVE。




「でも、それは世界同士を滅ぼす。
 そのプログラムは、本来そんなものじゃないのに。
 だから、正しい方向に戻さないと。
 その為に、貴女の力を借りたいの」



EV"o”LOVE→evol"O"ve???
 


「……人は恋をする。世界も然り。
 人の恋は許すのに、彼らは世界に恋をしちゃいけないと言う。
 あまりに残酷だね。
 だから……君達に、力を貸してもらいたい」



幻想世界の選抜者。




「今こそ、世界を護る時。
 七色の管理人よ。力を振るって」



セブン・ケアテイカーズ。



「……邪魔をするのか」
「はっ。世界を犠牲にする恋なんて恋じゃねーだろ」

ホワイト・ケアテイカー……白耶凪。
能力名「白き追放」。



「二対二か、丁度いいな」
「……気は進まないけど、やるか藍」
「仕方ないですね、紅」

レッド・ケアテイカー……赤嶺 紅。
能力名「RINGS・M」

ブルー・ケアテイカー……青蒼 藍。
能力名「RINGS・B」



「名乗らないの?」
「……必要ない。成すべき事を成すだけだよ」

ブラック・ケアテイカー……???
能力名「A」



「貴女とは、楽しく戦えそうですね」
「そうね。
 光栄に思うわ。
 そして光栄に思いなさい。
 久しぶりに世界王の腹心たる『銀色の心』、見せてあげるわ」

シルバー・ケアテイカー……???
能力名「M・M」



「無色なる者、か。似たもの同士かな」
「くく……そうかもな。いいぜ、かかってこい」

クリアー・ケアテイカー……???
能力名「ウォーター・ハート」




「……ふん。理想を抱きし者が。常闇に沈め」
「悪いが、理想を見つけてもないのに沈んでいる暇はない」

ヴァイオレット・ケアテイカー……草薙紫雲。
能力名「紫刀」



「……いいわ。やってあげる。どうやらやるしかないみたいだし」

ヴァイオレット・ケアテイカー……藤原紫須美。
能力名「紫刀 VER.2」




「……私に何が出来るっていうのよ!」
「貴女は貴女として『戦えば』いいのよ」



ワールド・ブレイド×3。



「なんで、由里奈が……?」
「薫。貴女には分からないわ」



恋をする者。
恋をしていた者。
恋をしていない者。



「しょうがない。
 極めて不本意だが……霧里さんの為だ。
 力を貸すよ、平良君」
「……ありがとう、久能君」



境界を越えし者達。



「平良芽衣。君の力が必要だ」
「……兄さんと義姉さんが世話になっているんじゃ断れませんね。
 行きましょうか、世界の果てとやらに」



『赤い眼』の意味。
世界の果てにあるもの。



「いよいよ、世界の蜜月の時だ……!!」



本当の答、本当の意味。



「はぁ……アナタ、馬鹿じゃない?
 あのね。
 一つ個人的な意見を言わせて貰うわ。
 恋はね『したい』と思うものじゃなくて、『してる』ものなのよ……多分ね」



黄金の心を持つ、風の少女。



「俺はただ薫さんを好きで居続ける。
 その事実は、ただの一度も揺らいだりなんか、しない」



鋼の心を持つ、大地の少年。



「さあ、選択するがいい、霧里薫、平良陸。
 君達は、世界を取るか、恋を取るか」



二人が出会った時から。



「俺の」
「私の」



全ては、決まっていた。



『答は……』





EV"o”LOVE×evol"O"ve=「えぼらぶ〜THE END OF WORLD・THE WORLD OF LOVE〜」





「さようなら、薫さん」





乞うご期待、はご自由に!!