・注意点
・・・これはあくまで二次創作物です。
・・・この作品内に出てくる様々な作品には、各々の著作権があります。
・・・各世界・設定等をお借りしていますが各作品とのかかわりはありません。
何より、声を出して言いたいのは、僕はこの作品内に出てくる作品全てが好きであるということです。
ですので、悪意はまったくありませんし、原作者様の著作権侵害の意思はございません。
もし、万が一これらの作品に関わった人がご覧になっても、どうかご容赦ください。

そして、これらの事をご了解していただいた方のみ、この作品をお読みください。

では、本編をどうぞ。

スーパーロボット大戦・コンチェルト

第一話 協奏曲の、始まり。




・・・・・全てが、燃えていく。

あの少女と鯛焼きを食べた、あの商店街も。

あの少女と共に駆けた、あの通学路も。

あの少女たちと共に昼食を食べたあの場所も。

あの少女とただ共にいたあの丘も。

あの少女とドラマを感じていたあの公園も。

家も、町も、想い出も全てが消えていく。燃えていく。

俺はただ見ていることしかできない。

手を伸ばしても何もできない。

全てが燃える。

そして、その上に立つ、黒い翼の・・・巨大なマシン。

(お前か?)

(お前なんだな?)

(許さない・・・!)

(絶対に、許さない・・・!)

(どれだけの時間がかかろうとも、お前だけは・・・必ず・・・・!!)





「・・・・・はあっ・・・・・」

俺は、目を開けた。
・・・胸糞の悪い目覚めだ。
なんとなく・・・辺りを見渡してみる。
質素な部屋だ。
家具と”専門書”以外は何もおいてはいない。
殺風景な部屋だ。
カーテンの隙間からは光が洩れている。

「・・・もう、朝か」

俺がそう呟いたときだった。
ドアの向こうから声が聞こえてきた。

「祐一?起きてる?」

幼馴染、そして、俺の大切な人。
水瀬名雪の声だ。

「・・・ああ、起きてるよ」
「入ってもいいかな?」
「ああ」

そう答えると、プシュ、と軽い音を立ててその扉は開いた。
・・・普通のドアノブのあったあの家から離れて、もうどれぐらいだっただろう・・・
あそこには、家族がいて、皆がいて、温かい空気に満たされていた・・・

「・・・祐一?どうしたの?ぼうっとして」

気がつくと、名雪がベットのそばに立っていた。
昔からのあの長い髪は、今は結われてお団子状態にまとめられていた。

「・・・お前に言われたくはないよ」
「もう、朝からひどいよ〜」
「はは、悪い悪い。・・・で、なんだ?」
ベットに座ったままで、俺はそう問うた。
「なんだ、じゃないよ〜今日は、合同訓練の日だよ?早く支度しないと」
「ん、もうそんな時間か」

あの冬以来、名雪は俺よりも早く起きることも多くなった。
あの朝の騒動が遠く感じられる。
・・・でも、俺とこいつの関係が変わったわけじゃない。

「んじゃ、着替えるから待っててくれよ」
「うん〜」
「・・・名雪」
「なに?」
「・・・また、あの夢を見たよ。三年前の・・・」
「・・・そう・・・早く、それを見なくてもいいようにしないとね」

そう言って笑う名雪が眩しく思えた。
・・・俺の中に宿る薄暗い感情とあまりに対照的だったから。

「ああ、そうだな」

・・・そんなことをおくびにも出さず、俺は笑い返した。


・・・真西暦。
人がこの暦を読み始めて、
人が、宇宙へ進出して、
人型兵器の発達が始まって、
人と人が争うようになって、
人以外のモノたちが現れるようになって、
戦い、休み、戦い、休みのサイクルが続いて・・・

本当に色々な事があったらしい。

俺、相沢祐一はそのほんの一部しか生きてはいないが。

それでも、つい最近は本当に平和だった。

”三年前の大戦”が終結して、皆が平和を謳歌していた。
短い平和を。

まだ、何も起きてはいない。
でも、何かが起きるのは時間の問題。
皆、それを知っていた。

スペースノイドたちと地球に住む人々の対立は絶える事無く続いていたし、それをまるで利用するかのように、地球連邦がジオンの残党を狩るために作ったとされるティターンズが、ジオンが再編されて作り上げられたネオジオンが、横行していた。
人同士でさえ争うのだから、人以外も当然争っている。
機械獣、ミケーネ帝国、恐竜帝国などなど・・・と上げればキリが無い。
それだけでも頭が痛いのに、最近はさらに面倒事が起こっているらしい。
50年前、姿を見せたきりだった、幻獣と言われる生物とは言えない生物が最近になって再び現れたらしい。・・・まあ、俺たちが知らないだけで、すっと存在し続けていたのかもしれないが。
その他、謎の巨大戦艦がいきなり東京上空に現れ、何処かへと姿を消したり・・・
各地では、妙な飛行物体が目撃されていたり・・・

戦いの耐えない世界。

そんな世界を俺たちは生きていた。



俺は着替え終わると、名雪を伴って格納庫へと向かった。
正確に言えば、マオインダストリー・日本第一支部・第三格納庫。
そこには、俺たちの乗る、パーソナルトルーパーが置いてあるのだ。
・・・説明しておこう。
マオインダストリーというのは、俺たちが所属する・・・ぶっちゃけて言えば会社の名前。
人型兵器の開発をしている。
パーソナルトルーパーというのはここが造った人型兵器の名称である。
・・・俺は故あって、ここのテストパイロットをしている。
名雪は、それについてきただけなのだが・・・
まあ、それは今はどうでもいい。
今日は、テスラ=ライヒ研という、ここと同じように人型兵器を開発している所のロボットとの、性能チェックと訓練をかねた合同模擬戦があるのだ。

「おや、お二人とも、もう準備はよろしいのですか?」

そんなことを言って話し掛けてきたのは、シュウ・シラカワ。
彼はDC(ディバイン・クルセイダーズ・・・対異星人侵略用兵器の開発をしているらしいが詳細は明かされていない)の日本支部総裁にして、自身も人型兵器などの開発をしている博士でもある。
今日は、自身も開発に関わった(らしい)マシンの模擬戦を見に来たらしい。
・・・正直言って、俺は彼があまり好きではない。
彼が優秀なのは誰もが認めるところなのだが・・・その人格はどうかと思っている。
名雪は別に気にならないようだが。

「はい、いつでも」

脳天気に名雪が言う。
彼女も俺もすでにパイロットスーツに着替えている。
初めてこれを着たときはお互いに似合わないと笑ったものだが・・・今は・・・

(ふう・・・名雪には言えないよな・・・)

彼女は俺についてきた結果、俺同様テストパイロットになった。
そんな彼女に、その姿が似合うとは言えない。
ましてや・・・俺がこれからやろうとしていることに付き合わせるわけには行かない・・・

「祐一。貴方は、どうなのですか?」

そんな俺の考えを妨害するかのようにその声が響く。

「・・・ええ。問題ありませんよ」
「そうですか。それではマシンへ。もう、整備は済ませてあるそうですよ」
「それは、どうも。行くぞ名雪」
「え、あ、待って〜」

そして、俺たちは各々の機体に乗り込んでいった。



俺の機体。
PTX−01−R01、ゲシュペンスト・R(リバース)・α。
機体色は黒。
この機体はマオインダストリーがはじめてロールアウトした機体、ゲシュペンストをリファインしたものだ。
マオインダストリーはこの傑作機を今一度見つめなおし、そこから新たに作り上げて行くため(再生・・つまりはリバースということらしい)にこれを開発した。
コストのことを考えていない、高性能機。
外見は旧ゲシュペンスト一号機と殆ど変わらない。
しかし、外見はそうでも、中身はとんでもない。
装甲に使われているのは、あのマジンガーZの装甲・・・超合金Z。
(全身に施すとマジンガー同様やや運動性に問題があるため要所要所のみ)
出力は旧ゲシュペンストの5倍以上。
武装も充実している。
俺のは格闘戦仕様にあつらえてある。
そして、究極のパーソナルトルーパーにしてバニシングトルーパー、ヒュッケバインMK−�供き靴謀觝椶気譴討い燭箸気譴討い襯哀薀咼灰鵐轡好謄爐鮴僂鵑任い襦�


名雪の機体はその兄弟機。
PTX−01−R02、ゲシュペンスト・R・β。
俺の機体とデザインは同じだがその仕様は違う。
機体色は青。
俺のが格闘戦仕様なのに対し、彼女の機体は全ての距離戦を征するようなセッティングが施されている。
遠・近・中の専用武器をそれぞれ複数持ち、それらを生かすために機動性を重視している。
この場合の機動性というのは機体のスピードではなく、機体の反応速度である。
(とはいえ、この機体のスピードも、普通の機体を圧倒するほどに速いのだが)
状況を即座判断し、即座に武器を入れ替え、常に優位に立つ戦闘をする・・・というのがコンセプトである。
あと、グラビコンシステムを搭載している点は俺の機体と同じである。


「・・・正常稼動確認。アルファ、グリーン」
『同じく、ベータ、グリーン。いつでも発進できるよ〜』

コクピットの脇の通信ウィンドウから名雪の間抜け気味な声が聞こえ、姿が見える。
・・・整備班の人が笑ってるじゃねーか・・・恥ずかしいやつめ・・・
それはそうとして、今回の模擬戦には解せない点があった。

「なあ、名雪」

格納庫の扉が開く前に話し掛けてみた。

『なに?』

ウィンドウが俺の目の前に移動してくる。

「模擬戦のある場所ってここから遠いよな?何で輸送車とか、艦とかで運ばないんだ?」
『うーん?お金がかかるからじゃない?』
「いや、パーソナルトルーパー単体で行く方がよっぽど燃費が悪いぞ」
『え、そうなんだ。でもそんなに気にしなくてもいいんじゃないかな』
「・・・ま、まあ、そうかも・・・な・・・」

名雪のペースに巻き込まれると、どうも駄目だ。
まあ、それはともかく。
もし仮にわざとそうしていると仮定しても、その意図がまるで見えない。
であれば、名雪の言うように、今の俺が気にしてもしょうがないような気がする。
意図が見えたその時にでも考えればいいし、見えなきゃそれにこしたことは無い。
と、そんなことを俺が考えたときだった。

ピピピピッピピピピピッピピピピッ!!

そんな警報が格納庫内に鳴り響いた。

「なんだ?!」
『誤作動かなあ』
『いいえ違いますよ』

その声と共にウィンドウに現れたのはシュウ・シラカワだった。

「・・・まさか、ここに敵が!?」

敵。
それが如何なる者なのか、どうしてここを襲うのかなど考えもせずに、思わず、そう言っていた。

それに対し、シュウは首を振って、

『ここではありませんが・・・ここから3キロ地点の町に、機械獣が現れたようです。数はおよそ30体・・・』
『何が、狙いなのかな』
「・・・まさか、ロンドベル隊?」

俺が記憶を辿って口に出したその言葉に、シュウは今度は首を縦に振った。

『おそらくそうでしょう。現在彼らは補給の真っ只中だったはずです。そこを狙えば勝てるとでも思ったのでしょうね・・・』

いかにも”浅はかな”と笑っているような口ぶりだった。
確かにそうだろう。

ロンドベル隊。
地球最強の名を冠する、連邦軍、第13独立部隊。
白い悪魔ガンダムのパイロット、アムロ・レイ。
鉄の城、マジンガーZ、そのパイロット兜甲児。
未知のエネルギー・・・ゲッター線を操るゲッターロボ。
彼らを中核とする、その部隊は今まで負けたことが無いということと、その戦局すら変えた大きな力で有名すぎるほどに有名だった。
今はバカな連邦のお偉いさんのせいで、その規模を縮小されているとは言え、まがりなりともロンドベルである。
機械獣数十体程度で破れることはありえないだろう。
だが・・・

「・・・部隊を展開するのには、時間がかかる・・・!その間の町が危ない!」

獲物を狙って動き出した機械獣がおとなしくしているんてことはありえ無いだろう。

・・・俺の脳裏に、三年前の光景が浮かぶ。

(あの時のような思いを、誰かがするのか・・・?!そんなこと・・・!!)

そう思うといても立ってもいられなかった。

「・・・総裁!」
『シュウで結構ですよ。・・・出撃するのですか?』
『祐一?!・・・私たち、実戦は・・・』
「わかってるよ。俺らは実戦経験ゼロだ。・・・でもな、名雪。俺は行きたいんだ。
あの時の復讐って言えばそうかもしれないけど・・・ほっとけないだろ?」

それに・・・俺にとって、これは願ってもない機会だ。
無論、街の不幸を喜んでいるわけではない。
しかし、これはいつか通らねばならない道だ。
アイツに、復讐を果たすために。
ここを逃せば、俺が戦えるのはもっと先になってしまうかもしれない。
だから、俺は行かねばならない。
街を守るため、復讐を果たすために・・・!

『祐一・・・それなら私も行くよ。駄目だって言うのは無しだよ。言うんなら祐一も行かないの』
「名雪・・・?」
『ふっ・・・いいではありませんか。いずれにせよ、私が出撃を許可します』
「・・・ありがとうございます」
『というか、駄目だといっても行くつもりだったのでしょう?無駄骨は折りたくはありませんからね』

シュウのいつもの鼻につく笑いが、今は何故だがかっこよく見えた。今だけだろうが。

「・・・それでは、機体をお借りします」

今日の模擬戦が本当の意味で実戦形式だったことに感謝した。武装を変える必要がない。

『私も行くからね』

名雪がウィンドウに顔を思い切り近づけて言った。
・・・こりゃ説得できそうにない。

「わかったよ・・・でも、無理はするなよ」
『うん!!』

そう言ってウィンドウが閉じた。

・・・お前も、守ってみせるさ。必ず。

そうこうしている間に格納庫の扉が開いた。

「・・・よし。ゲシュペンスト・アルファ、相沢祐一、出ます!」
「同じくベータ、水瀬名雪・・・行くよ」

スラスターが、ブースターが、バックパックが熱くたぎり、駆動する。


そして、俺たちは舞い上がった。
・・・戦場へと。



街は炎に包まれていた。
・・・戦火という炎に。

「OXNGHKKJYYJMNFG」
「NHJUKHUIJGTYJUK」

それは奴らの話し声なのだろうか?
機械の、獣たちの。

ガラダK7が頭部の鎌をはずして、投げつけた。
ダブラスM2がミサイルを解き放つ。
狙いなどあったものではない。
ただ適当に暴れていた。
戦略目的など何もない、ただの遊び。

それで、人の命が奪われていく。

理不尽この上ない。
それを指揮する奴も、それを止めようとはしない。
むしろ、それを推し進めていた。

『ふはははは!思う存分暴れるがいい!ロンドベル隊を滅ぼす、祝いの花火代わりにな!』

機械の獣たちの長は・・・体半分男、残り半分女の・・・あしゅら男爵。
機械獣を統べるDrヘルの信任厚い男、いや、存在だ。
彼らの破壊のパレードの先には・・・ドッグなどがないためやむなく港近くに着水している、現在のロンドベル隊旗艦、アーガマの姿があった。
その中では、出撃の準備が進められていたが・・・Drヘルの裏工作・・・補給物資に爆弾を仕掛けるという古風なもの・・・の除去に時間をかけすぎて、思うようにいっていなかった。

「まだ出せないのか?!」

アーガマ艦長、ブライト・ノアの声が響く。

「後一分はかかります!」
「く・・・艦は耐えられそうだが・・・!」

ここで落とされなくとも、ダメージは受けるだろう。
そこを狙って、第二波第三波が来るのは面白くはない。
何より、そのとき、機械獣によって被害の余波を受けるのは街なのだ。

非情にも近づく、機械獣たち・・・

彼らの攻撃が、アーガマに向けられようとしたその時。

「ブラスターキャノン!」
「スラッシュリッパー!」

銃身から溢れ出たエネルギーの奔流と手裏剣のような武器が、迫り来る機械獣達の何体かを貫いた。

『何奴!?』

あしゅら男爵が、自らが乗る機体、グールのなかから叫んだ。

「・・・誰がバカ正直に名乗るかl」
「う〜ん、名乗ってみたかったかも」

祐一と名雪のゲシュペンストが到着したのだ。

ガシュッ!ザシュッ!!

二体は地上に降り立つと、機械獣たちの前に立ち塞がった。

「こちら、アーガマ艦長のブライト・ノアだ。君たちは一体・・・?」

通信から聞こえてくる問いに祐一は答えた。

「えと・・・マオインダストリーのものです。援軍にきました」
「・・・すまない。では今しばらく時間を稼いでくれるか?危なくなったら撤退してくれても構わん」
「もちろんです」
「でも、撤退はしないよね、祐一?」
「そっちももちろんだ」

そんなやり取りをする祐一は、名雪は、微かに震えていた。

ここは、戦場。
一歩間違えただけで命散る場所。

それでも、彼らはここに歩み出た。
命を、守るために。

「行くぜっ!」
「行くよっ!」

自身を奮い立たせ、二人は機械獣の群れに向かっていった。


「おおおっ!」

俺は機体のスラスター全開で敵に突っ込んでいく。
先程使ったブラスターキャノンは、流石に街中ではほいほい使える威力ではないので、後腰部のラックに直して置く。
その代わりに、左手にロシュセイバーというエネルギー刀を構える。

「邪魔だって!」

ガラダK7の横薙ぎの鎌をしゃがんでかいくぐり、その横を通り抜けざまにそいつを切り裂いた。
・・・一機撃破!
しかし、その隙を狙って、ダブラスM2が突っ込んでくる!

「はっ!このゲシュ・αに格闘戦を挑むなんて・・・」

グラビコンシステムを発動させ、生み出したフィールドで敵を弾き飛ばす。
その隙を突いて、全力推進・・・グラビコンシステムで生み出された重力場をまとった拳・・・グラビティ・ナックルを叩き込む。

「100年早いッ!」

・・・二機目、撃破!

本来、マニピュレーター(手のこと)は、道具を使うためにあるが、兵器である以上はこういう荒業も必要になってくる。
この機体はそういうのに融通が利くようにできていた。
名雪の機体は繊細なので、同じことをやれば手がひしゃげてしまうだろう。
近接格闘用のジェットマグナムを腕に仕込んであるが、この機体のモノは拳を当てる攻撃方法ではない。

その名雪は、恐ろしいまでの機動性で敵を引っ掻き回し、その隙を突いて、確実に一体また一体と落としていく。
相手が機械獣だから、というのもあるのだろう。
俺も名雪も遠慮なく全開を出せた。

(いける・・・!)

油断でもなく、過信でもなく、俺はそのことを実感していた。

と、その時。

警戒音が鳴り響いた。

『祐一ッ!上!』

名雪の声で反応すると、上にはあのあしゃら男爵が乗った、グールがいて・・・その腹からミサイルの束をはき出していた。
標的は、無論真下にいる俺。

「くっ!」

俺はグラビティウォールを展開しようとする・・・が、連続運転に悲鳴をあげているのか、使用不能!と警告の声があがった。
俺の機体を死が通り抜けんとした、その瞬間。

『ブレストファイヤー!!』

その声が響くと同時に、ミサイルを、地上から放たれた赤い光線・・・いや熱線が焼き払い、ミサイルはことごとく爆散した。

割と上空だったので、その爆発が町へと与えた影響は殆ど皆無だった。

今の熱線は、あの、伝説の・・・ブレストファイヤー・・とすると・・・!!

『おのれぇぇぇぇ!マジンガーZ!おのれ、兜甲児!!』

そう、そこに立つのは鉄の城。
スーパーロボット、マジンガーZ!!

『はん!残念だったなあ!相も変わらず汚い手使いやがって・・・!倍返しにさせてもらうぜ!
大車輪・・・ロケットパーンチ!!』

腕を振り回し、解き放った鋼の拳はいともたやすくグールの一部をえぐりとった。

(これが、スーパーロボットの破壊力か・・・!)

思わず,感嘆せずにはいられない。
名雪も同じらしく「うわ〜」と相変わらずの声を上げていた。

『くっ・・・覚えておれよ・・・!!』

安易な捨て台詞と共に、あしゅら男爵は撤退していった。

その間にも、ロンドベルの精鋭たちは、残った敵の掃討を済ませてしまっていた。
・・・さすがに、最強部隊である。

「・・・ふう・・・なんとか無事に済んだな・・・」
『そうだね・・・』

身も心も疲れ果て、俺はコンソールに突っ伏した。
そんな俺たちに、ロンドベルの機体たちが歩み寄ってきた。

俺は先程とは違った緊張に身を支配された。
居住まいを直して、彼らに向かい合おうとした・・・


まさにその時。


『・・・?なにこれ・・・?ふぉーるどはんのう?祐一?何かがここに・・・』
その名雪の言葉が終わるか終わらないかの刹那に、それは起こった。

空間に穴が空く。
俺はそんな光景をはじめて見た。
そして、その中から、一体の人型機動兵器が現れた。

ちょうど、俺たちとロンドベル隊を分断するように、両者の中央にそいつは現れた。

黒い、翼の・・・・!?


「まさかっ!!」

三年前。
俺の住む町が炎に包まれた時、上空にいた機体。
そいつがこの場に現れていた。

そんな俺の驚きをよそにゲシュペンストのコンピュータが機体識別を割り出した。
それは、俺たちをさらに驚嘆させた。


『・・・機体名。ヒュッケバイン・・・』

「・・・・?!」


その機体は、ヒュッケバインと呼ばれたそれは。
次の瞬間、猛スピードで、俺たちに襲い掛かった・・・!!


続く。


次回予告。

ヒュッケバインと識別された、まったく別の謎の機体。
それは圧倒的な力でロンドベル隊を、祐一たちを窮地に陥らせる。
そこに救援として現れた戦士たちは、かつての旧友だった。

次回、再会と、旅の始まり

乞うご期待はご自由に。





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