最終回 そして、今日も空を行く











 平赤羽市の歴史に載りそうな大激戦から、三日後。

「じゃあ、姉さん、行って来ます」
 
 草薙家の玄関で、初夏らしい装い……薄い水色のワンピースを着た紫雲は、
 風になびく、魔法で伸ばした長い黒髪を抑えながら言った。

「……変じゃない?」
「ああ、大丈夫だ」

 不安そうに尋ねる紫雲に命は苦笑しつつ頷いてみせた。
 そんな姉に、紫雲はもう一つ問い掛ける。

「……いいのかな」
「我が家の宿命に立ちはだかるウザい敵の一体を片付けたんだ。
 たまに正義の味方以外で女の子に戻るくらい、祖父母やご先祖様たちも許してくれるだろ」
 
 そんな命の言葉を受けて、紫雲は何かを考え込むような表情の後、呟いた。

「姉さん」
「ん?」
「……私、男の子になってて、良かった」




 男の子として十年間を過ごさなければ、私は魔法多少少女にはなれなかった。

 いや。
 なれたとしても、多分『怪獣』を倒せなかった。
 魔法多少少女としての強さや覚悟は、男の子になる決意があって、生まれたものだから。

 もし、ただの女の子のままだったら。 
 皆を、灰路君を守る事が出来なかった。




 そう、紫雲は考えていたのだ。

「だから。
 男の子でないといけないって言い伝えは、
 ある意味で当たってたんじゃないかな、って、今はそう思えるの」
「……そうかもな」
「じゃ、私出掛けて来るね」
「……ああ、行ってらっしゃい」

 そうして、紫雲は走る。

 灰路との待ち合わせの場所に。

『話をする』というヴァレットとしての約束を草薙紫雲として果たす為に。

 そして、もう一度、出会いをやり直すために。










(……そう言えば、シャッフェンさんにちゃんとお礼言ってなかったなぁ)

 ドキドキする胸を抑えるべく灰路以外の事を考えようとした紫雲の頭によぎったのはシャッフェンの事だった。

 この間の戦いでは世話になりっぱなしで、危ない所を助けてもらった。 
 ヴァレットは……紫雲はその事をしっかり記憶していた。

 シャッフェンについては色々思う事があるのは事実だが、それはそれ。
 正直な所嬉しかったし、深く感謝しているのは確かだ。
 
(近い内に何かで恩返しできたらいいな……)

 そう考えながら歩いていた時だった。 

「お、草薙か?」
「……へ? ってマジ?!」

 紫雲は友人である直谷明と高崎清子に遭遇した。
 
「あ、う、うん。こんにちは」
「おう」
「こんにちは。
 いや〜、凄い可愛いわね……」
「う、えと、ありがとう」

 あの騒動の直後。

 実はヴァレット達を応援に来ていた二人が、
 灰路や征、紫雲の状況を確認する為に公園近くをうろついていた為、平赤羽市縮図状態に遭遇。
(あの状況の為、携帯その他を確認する余裕は誰にもなかったのは言うまでもない)
 
 結果として、ヴァレット=紫雲である事を話す事になってしまったのである。

 二人とも驚きはしたものの、紫雲の嘘について怒る事はなかった。
 二人ともが紫雲のくだらない事で嘘がつけない真面目さをよく理解していたし、事情を聞けば尚の事怒る理由がなかった為である。 

「さすがヴァレット……というべきかしら。
 本気出したら化けるわね……そういう意味じゃ女の子なのね。
 というか今まで疑いもしなかったのは私らが鈍いのかしら」
「いや、男装なんて普通はありえないからな。
 まさかと思って普通は疑念を消すだろ。
 ま、それはともかく、今から艮野と会って来るのか?」
「……う、うん」

 色々見透かされてたのかなぁと思いつつ頷く紫雲。
 そんな紫雲に清子はどことなく優しい声と表情で語りかけた。

「そっか。
 まぁ、あれ惚れっぽいから心配ね……何かあったら相談しなさいよね。
 馬鹿が近くにいると苦労しそうな者同士頑張りましょ」
「ありがとう。
 ……でも、私はともかく、高崎さんは大丈夫そうだと思う」

 言いながら紫雲は二人を見た。
 喧嘩こそ多いのかもしれないが、それは親しいから出来る事。
 自分達とは違う、でもそれでいて同じ『幼馴染』だからこそ分かるのだ。 

(……羨ましい、かな)

 そう思い微笑む紫雲に、清子は色々な意味で少しだけ顔を赤らめつつ、渋い顔で答えた。

「……そうだったらいいんだけどね」
「全くだ」
「誰の事を言ってると思ってるのかしら……?」
「征の事じゃ……いたぁぁぁっ!!」
「草薙、時間危ないんじゃない?」

 足をグリグリと踏み潰しながら笑顔で言う清子。
 その様子になんとも言えない表情を浮かべながら、紫雲は言った。

「あ、うん、そろそろ行くね。
 ……え、っと、ほどほどにしてあげてね」
「大丈夫。加減は心得てるわ」(グリッ)
「ぐぉぉぉっ?! どこがぁぁっ!?」
「……いや、ホントほどほどにね……」

 そう付け加えて、紫雲はその場を後にした。    
  










「灰路君っ」
「よ、よう」

 待ち合わせた秋木町のカフェテリア。
 既に約束の場所に来ていた灰路は……紫雲を見て顔を赤らめながらも、なんか微妙に引いていた。

「……ど、どうかしたの?」
「い、いや、その、なんつーかだ」
「な、何かな?」

 何を言われるのだろうか。
 姉や清子達の反応を見るに、大丈夫だとは思うのだが。

(あの時みたいに、可愛い、とか言ってくれるのかな)

 そうしてドギマギしつつ反応を待っていた紫雲に、灰路は言った。

「この間は可愛いっつったが……。
 ヴァレットに変身してないのに女装はどうかと思うぞ」
「……………………………………っ!!!!??????」
 
 その瞬間。

 紫雲の中の色々なものが停止したり破壊されたり攪拌されたり煮え繰り返ったり冷め切ったりした。
 要するに、筆舌に尽くし難い様々な感情が行き交っていった。

「よもやと、思うけど」

 地獄の奥底の更に底の底から響くような声音が零れ出る。
 それが自分の出している声音なのかなんなのか自分自身よく分からないままに紫雲は言葉を紡ぐ。

「まさか。
 まさか、私が男だとまだ思ってるわけ……?」
「いや、そういうわけでもないけどな。
 変身解除した時、胸見えたし。
 結構ナイスな身体だよな、お前」
「……っ!!!!!」

 ビキ。
 
「まぁ、それはさておいて。
 なんつーか、落ち着かないんだよなぁ。
 俺的には普段のお前が男装してるじゃなくて、今のお前が女装してるみたいに感じるというか。
 つーか、魔法での変身だから、性転換ぐらいありなんじゃないか?」

 ピキピキ。

「お、何か騒がしいな」
 
 紫雲の形相に迂闊にも気付かず、灰路は周囲の騒がしさに注目していた。
 道行く人々が騒ぎながらも向かう先の青空……其処には最早見慣れた系統のガラクタが浮いていた。

「また馬鹿が出たみたいだな。
 ほら、早く行った方が良いぞ。しっかり女の子に変身できるわけだし」

 ピキ、ピキピキピキ。
 悪意ゼロの灰路の発言に、基本的には穏やかで怒らない紫雲の堪忍袋の緒が断裂していく。

「なーんてな、冗だ……」
 
 そこで、紫雲の堪忍袋の緒は完全に切れた。
 勿論「ジョーク。イッツアメリカンジョーク! HAHAHA!」的な灰路の言葉なんか耳に入っている筈もない。

「こ、この……!! 
 バカァァァァァァァァァァァァァっ!」

 そうして。
 開放された紫雲の拳は灰路の顔面にジャストミートした。











「はぁ、はぁ、はぁ………っ。行かないと」

 凄まじくテンションはダウン……いやある意味ではアップしている……が、行かないわけには行かない。

 それが自分の成すべき事なのだから。
 そう考えて、周囲を確認した後、紫雲は物陰に入る。

「……僕は、変わる。私へ変わる。守る私に。正義を貫く私に」

 彼女の胸の内が熱くなる。その熱さを抱え、堪えながら、彼女は呪文を唱えた。

「マジカル・チェンジ・シフト。
 リバース・リヴァース、フォー ジャスティス……っ!」

 開放の合言葉、キーワードを唱え終わると、
 熱を生み出していたモノ……紫色の宝石が胸から生まれ出て、宝石は筆へと形を変える。

 それに続き、彼女の胸の辺りから服がオセロをひっくり返すように組み替っていく。
 水色のワンピースから黒と紫の装束へと。

 そうして……黒い髪が紫色へと変化後、最後にバイザーが形成され、変身が完了する。

 彼女の名は、ヴァレット。
 平赤羽市のアイドルにして、ヒーローにしてヒロインたる、正義の魔法多少少女……!









 
「おおおぉぅ……アイツ、俺を殺す気か……?」

 変身して飛び去っていった紫雲、否ヴァレットを見上げつつ、灰路は起き上がった。
 紫雲の左フックを受けた首は微妙に曲がっている。

「いっそ、死んだ方が良かったんじゃないのかしら」

 声の主はリューゲだった。
 その後ろには久遠征もいる。

「いくらなんでも冗談にしちゃ悪質よ。
 ……照れ隠しだとしてもね」
「全くもって。
 女の子は泣かせるもんじゃないだろ、二次元も三次元も」
「……うるせーな」
 
 不機嫌そうに曲がった首を元に戻して、灰路は続けた。

「今までずっと男で扱ってきた奴を今更素直に女の子として見れるかってんだ」
「ヴァレットの事、嫌いなの?」
「……んなわけねーだろ。
 でもな、女だと分かった瞬間に掌返して『らびゅー』とか言うのは間違ってるだろ、明らかに。
 暫くは、あれだ、様子見だ」

 紫雲にせよ、自分にせよ、少しは冷静になる時間が必要……そう灰路は考えていたのである。
 先程の反応については、それを考えたものと照れ隠しがない交ぜになった結果なのだが……若干やり過ぎたようで反省しようと灰路は思った。

「なるほど。分からないでもないわね」
「ふむ。艮野なりに草薙の奴の事を真剣に考えてるわけか」
「ほっとけ。俺の事はともかく、お前等は何をしてんだよ」
「一応マスターの様子を見に。
 あたしは暫く魔法少女休業するつもりだけどね。
 あ、あと今後普段のあたしをリューゲって呼ぶのやめてよね」
「じゃあ、なんて呼べばいいんだよ」
「法杖。法杖真唯子。
 それが、変身してないあたしの名前。
 オーナとヴァレットと征が考えてくれたのよ。
 なんかマスターは不満げだったけど知ったこっちゃないわね」

 結構気に入っているらしく、ニコニコとリューゲは告げた。

「どういう由来か気になるな……。
 で、お前はなんでここにいる?」
「俺はコイツの保護者としてこうしてついているだけだ」
「む。保護者……なんか釈然としないわね……」
「……ったく。
 厄介なもんだよな、初恋って奴は」

 灰路は征とリューゲを見ながら『別の光景』を見て、肩を竦めた。

 彼の眼には十年前の雪と、初恋の女の子が映っていた。











「おじさん……やめようよー。リューゲちゃんもいないんだし」
『誰がやめるかっ!』

 ある意味お馴染みのやり取りを交わすオーナとシャッフェン。

 と、そこにヴァレットが飛んできた。
 彼女はいつもの名乗りを上げる事もせず、静かにゆっくりとシャッフェンに近づいていく。

「ヴァ、ヴァレットさん?」
「……」
『むむ、やけに暗いな。
 さては私生活で嫌な事があったな』
「……」
『ありえないとは思うが、男に振られたとかならご愁傷様だな。
 まぁ俺に取っちゃありがたいけどなプスススス』
「……っ!!!!」

 空気を読めないシャッフェンの発言に空間が罅割れるような感覚をオーナは覚えた。

 実際の所。
 ここでシャッフェンが余計な事を言わなければ、
 ヴァレットは彼への感謝ゆえに怒りを納め、
 彼にはヴァレットとの出会い以降でもっとも幸せな瞬間が訪れていたのかもしれない。

 だが、所詮もしもはもしも。
 今の現実には、何の関係もないのである。

 まぁ、なんというか。
 非常に残念かつ残酷な事ではあるが。

『まぁ、心配するな。俺が嫌な事は忘れさせて……』
「……ごめんなさい、シャッフェンさん」
『や、はい?』
「この間の御礼。
 したいと思ってて、会えたらその事についてお話しようと思ってたんですけど。
 勝手で申し訳ないですけど、今日は……出来そうに、ないです。
 そして……今日は手加減できないかもしれません」
『ヴァ、ヴァレット? 何拳を構えていらっしゃるんですか?
 赤く燃えて、青く凍ってますね?
 明らかにソレ、前回開眼したばかりと音に聞こえた全力モードですよね?』
「エアパレット、レッド、ブルー展開。
 絶対紫形態、行きます。
 ごめんなさい。
 本当にごめんなさい。
 そして。
 今日は、今日だけは。
 正義から少し外れる私を許してくださいね」

 輝くばかりの笑顔を浮かべるヴァレット。

 ただし、暗黒面での輝きだが。
 例えるなら、普段アメジストの輝きがブラックオニキスの輝きになったとでも言うべきか。

 まぁ、喩えがなんにせよ。彼女の目前に立つものの運命は変わらないのだが。















 世界は、多くの可能性に満ちている。
 世界は、多くの可能性の果てに構築される。
 今から語られる世界は、積み重ねられた可能性の果てに、
 私達が居る世界とは少しズレた場所に作られた、そんな世界。

 では、其処はどんな世界なのかと言うと……
 ありていに言えば、正義の味方がいて、悪っぽい連中がいて、何でもありな世界。
 そんな世界の中で、今回は特定の『人種』が登場する物語を語った。

 特定の人種……人は彼女達を『魔法少女』と呼んだ。















『ちょ、誰かぁぁぁっ!?』
「うわああああああああああああんっ! 灰路君の、馬鹿ぁぁぁぁっ!」

 かくして、シャッフェンは三度星となり。

 この物語に相応しい、幕を下ろしてくれたのだった。

















 ……とりあえず、終わり。














・後書き

 魔法多少少女ヴァレット。
 いかがでしたでしょうか?

 僕としては、書いていた当時(2007年)は気付かなかったアレコレに気付いて若干凹みました(汗。

 とはいえ、この作品やこの物語に登場するキャラクター達に愛情が無くなったのかと言うと。
 勿論そんなわけはなく。

 当時より色々ネタが出来たりして書いてみたい事は増えております。
 ……行き過ぎた愛情や暴走の結果、某イラスト投稿サイトでは年齢制限系イラストも描いたりしてるのはここだけ(?)の話(ォィ。
 それって愛情かと突っ込まれるかもしれませんが、それについては愛がなければ書けませんよ〜、と答えさせていただきます(←阿呆。
 
 まぁ愛の形についてはさておき。
 各キャラクターについてあれこれ語ってみようと思います。


・ヴァレット(草薙紫雲)

 この作品の主役にしてヒロインたる男装魔法少女。
 男装魔法少女という形こそ、この作品の要にしてオイシサだと思いながら書いてました。

 いまは男の娘さんが魔法少女やってる作品や、
 男の子が女の子に変身して魔法少女やっている作品はちらほらありますが、
 男装魔法少女はまだ少ないのではないでしょうか?(聞くな

 真面目で優しい、男装してても根っこが女の子らしい女の子。
 男装している時よりヴァレットに変身している時の方が素に近かったりします。

 このホームページに登場するオリジナル(男)の草薙紫雲とは似て非なる部分が結構あったり。
 ゆえに、と言うべきか、オリジナルが辿り着けない境地に、こちらは辿り着く可能性があります。

 物語が続く場合、彼女には色々な選択や決断が待っています。
 その中には灰路との関係性に絡むものもあったりなので、流石はヒロインと言うべきなのか。
 少女漫画体質なのかもしれないなぁとふと思ったりもします(ぇ。

 設定に色々細かい部分があり、分かり難く、男装の理由としては飲み込みにくい部分があったので、
 設定についてリファインする機会があれば、その辺りを綺麗にしたいと思います。


・オーナ

 二人目の魔法少女。
 というか、ぶっちゃけて言えば、普通ならこの子が主役ですね(w。
 今回登場した三人の魔法少女はそれぞれが主役を張ってもおかしくないキャラクターにしようという思いで書いていました。
 その思いゆえにか、主役らしい性格と若干の黒さを兼ね備えた、ある意味で高スペックな子に(w。
 ……基本は良い子なんですけどね、ええ。

 ちなみに、別世界での世界王と微妙に関連性があります。
 容姿についても、若干『えぼらぶ』の霧里薫に似ていたりするのですが、
 その辺りも色々事情があったりします。 

 物語が続く場合、友人関係の悩み事を多く抱える羽目になる予定です。
 

・リューゲ

 三人目の魔法少女。
 言うなれば魔法少女やヒーローもので見掛ける中盤から登場する偽者・複製系の存在ですね。

 色々な意味で特殊な立ち位置にいて、今後の展開の鍵となる予定です。

 予定ではもっとツンケンするはずだったのが、思ったよりは愛嬌の良い子になりました。
 これについては絡んだ久遠征に引っ張られた感があります。

 終盤付けられた法杖真唯子という名前について。
『オタクS級』での同姓同名(向こうもある意味偽名ですが)な存在との関係性は、ある意味での『同一人物』。
 それというのも、向こうの法杖真唯子が『草薙』の力を研究する為に作られた複製体であるという裏設定があるゆえだったり。
 イレギュラーな誕生ではありますが、生まれるべくしてこちらでも生まれた存在だったりします。
 ある意味で、艮野灰路とは真逆の存在なのかも。


・艮野灰路

 女の子好きで、若干主人公らしからぬ主人公。
 正直はじめて書いたタイプなので難産でした。
 
 僕がよく書く主人公(男)とは違う意味の馬鹿。
 それゆえに、物語が続く中、色々なトラブルの元になる予定です。 
  
 僕が書く作品によく出てくる『あの人』の『存在し得ない弟』という立ち位置。
 それが彼の存在をこれ以上なく表していると個人的には思います。
 

・シャッフェン

 カオスの権化にして、この世界のルールの体現者。
 物語が続けば、この物語のある方向性におけるもう一人の主人公となります。

 彼については十分に描ききれず、よくあるキャラクターの形に少し囚われてしまったかなと思っていたり。
 リファインの際は、もっと独自性を押し出していきたいとシミジミ。

 ただの馬鹿……のように見えますが、そうではなく、彼は彼なりに色々考えていたり。 
 この作品のみならず、世界において重要な役割を果てしていく……かも?


・久遠征

 個人的にはオタクの理想の究極にある男だと思います。
 元々のキャラが濃いせいか、特殊設定無しでもキャラが動く事動く事。

 キャラクター同士を繋げる良き仲介役。
 今後物語が続く場合もその立ち位置で頑張ってもらう事になりそうです。


・高崎清子&直谷明

 理想的な幼馴染カップル。
 良くも悪くも理想的ゆえに影が薄くなってしまったのは反省点です。

 王道なカップルゆえに、
 今後のヴァレットや灰路にとっては複雑な感情で見られる事になる……予定です。


・草薙命
 
 良きお姉さん。
 ヴァレットをはじめ、多くの存在に的確なアドバイスをしていく事になるでしょう。
 それが妹にとっての幸せに繋がるかどうかは難しい所だったりするのですが。
 

 とまぁ、色々書いてはみましたが。

 この物語については、まだ描いていない事、語られるべき事が幾つかあります。
 それについてはいつかしっかり描きたいと思っております。

 ただその場所は、ここではないかもしれません。
 というか、ぶっちゃけ色々やってみたい事があるので、いつか形に出来る見通しがしっかり出来たらお話したいと思います。
 ので、気にされる方はいらっしゃらないとは思いますが(w、
 もしこの作品を気に入ってくださった方がいらっしゃったら期待せずにお待ちいただければ幸いです。

 では後書きはここまで。

 この物語を書くに当たって『魔法少女』を書きたいと思わせてくださいましたDO−DOさん、本当にありがとうございました。
 同じく『魔法少女』というジャンルを生み出し、様々な形を魅せてくださった創作者の皆様にも感謝申し上げます。

 誤解がないように言いますとパクり的な意味ではありません(汗。
 正直な所、十年前は魔法少女を書く事になろうとは思いもしていなかったので、
 その出会いと発想について深く感謝しております。
 ……ただ、知らずネタが被ってしまった場合についてはお詫び申し上げます(汗。

 興味を持ってくださった皆様、僅かでも読んでくださった皆様に感謝を。
 最後までお読みくださった皆様にはより深い感謝を。
 
 お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。

 心から感謝御礼申し上げます。


 2010年 2月21日 情野 有人





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