管理人・情野、『えぼらぶ』霧里薫、平良陸による劇場版ファイズレポート


始まる前に。
このレポートは管理人の偏った考察である事を了解した上でお読みください。
そして激しくネタバレしますので、まだ見ていない人は読むことをご遠慮ください。

ですので、そう言ったことに関する苦情は受け付けられない事をご了承ください。



では、どうぞ。



情野「レポートシリーズ第二弾!」
薫「ということで今回はアバレンジャー・ファイズのレポートです」
陸「戦隊に仮面ライダーか。そのぐらいなら俺も知ってるけど・・・」
情野「言っとくが最近は昔のものといろいろ違うぞ」
陸「・・・そうなの?」
薫「まあ、見れば分かるよ」


しばし映画の予告編。
あたしンちの予告に妙に受けたり、いろんな映画予告を見てこれは見に行きたいなと思ったり。

情野「これも映画館の醍醐味ではあるな」
陸「その意見には賛成」

短いはずなのに長く感じられた時間を抜けるとついに本編開始。

薫「まずはアバレンジャーね」

15年前のダイノアースから始まり、タイトルへ。

陸「・・・なんというかすごいタイトルだな」
情野「そうだな。でもそこが良し!」

その後、舞台は現代へ。
海でゆったりと過ごすアバレンジャー一同の前に現れた王女フリージア。

陸「えらく唐突に現れたな」
情野「うーむ、その感じは否めないな」

抱きつかれて狼狽する凌駕とそれを冷やかす(?)一同。
そんな彼らにエヴォリアンが強襲。
トリノイド・・・もといヘキサノイド、ハナビキニキビーナスの登場。
一同をビキニしたり、えみポンをビーナス像にしたりはちゃめちゃぶりを炸裂。
声優・高田由美さんの名演技が光ります。

陸「それにしても、名前が長けれりゃいいってもんじゃなかろーに」
薫「でも、意味はあるみたいね。中々に攻撃が多彩だし」
情野「・・・褒めていいのか分からん」

それはともかく、彼らはどうやらフリージアを狙っている様子。
危機一髪のところを爆竜チェンジ。
中々に音楽がかっこよいです。
・・・でもすぐ撤退。

陸「せっかくチェンジしたんだからもう少し戦って欲しいかな」
薫「まあまあ、見せ場は取っておくものよ」

んで所変わって何処かの岩場。
事情を語るフリージア。
封印が解けて目覚めてしまった二匹の爆竜を封じるためには古代神話の剣、バクレイザーを完全にする必要があるらしい。
さらに言えば、その欠けた部分を探すのにダイノガッツが必要だということ。
地球の危機ともなれば放っておけないと、協力する事になったアバレンジャー達。

その行く手をハナビキニキビーナスが遮る。
ハナビキニキビーナスを幸人、らんる、アスカが相手取り、その間にフリージア、凌駕は先を急ぐがそこにジャンヌが現れる。

その間、三人は幸人が小さくさせられたり、らんるが百人に分裂したり大変な事に。

一方、アバレッドにチェンジしてどうにかジャンヌを怯ませた凌駕はバクレイザーの刃先のあるテレビ局へ。

陸「まあ真面目に言うのもなんだけど、警備がざるだな」
薫「・・・そういうことは言わないの」

律儀に一言謝ってからガラスケースを破壊して刃先を取り戻したアバレッド・凌駕は、そのままダイノガッツでバクレイザーを再生。
そこに現れる仲代先生ことアバレキラー!

情野「個人的に結構好きですけどねアバレキラー」
陸「なんか仲間にはならなそうなところがいいのかね」

一方、ハナビキニキビーナスと交戦する、らんる、アスカ。
どうにか戦闘体勢に持ち込むものの、意外に強くてピンチに。
そこへラジコンカーで舞い戻った小さな幸人が爆竜チェンジ。
アバレイエローのアバレイザ―に入り込むと自分を発射!

情野「”親指幸人さんのちっちゃいってことは便利だねボンバー!”?!長いぞ、それ!」
陸「しかも仲間内で突っ込みが入った?!」
薫「うーん、やりますねー」

整体士の経験(?)から弱点を看破した幸人さんによる内部突入&破壊によりハナビキニキビーナス爆発!見事これを破る!

情野「いつもなら巨大化してたんだろーけど」
薫「作品的にも、現実的にも要素を詰め込みすぎてアウトですね」

一方、アバレキラーに押されまくるアバレッド。
そこにバクレイザーを持ったフリージアが加勢に・・・かと思いきや!

陸「アバレッドに斬りつけたぞ、おい!」

ハナビキニキビーナスを倒した三人が合流する中で、フリージアの正体が明らかに!
フリージアは実は真っ赤な偽者で、その正体は次元の流れ者ガルヴィディ!!

薫「これはびっくりしましたねー」
陸「フリージアの皮(?)を脱ぐ動きがなんとも面白いなー」

大暴れしたいがためにアバレンジャー、エヴォリアンを見事出し抜き、利用したのには中々感服。
それは仲代先生も同じだったのか、早速自分の仲間にしようとしたりするも、予想外の反撃に負傷。

情野「アバレキラーを返り討ちにするとは・・・」
陸「強いのが良く分かる演出だな」
薫「興が殺がれるからそういう事言わないの」

そうこうしている間に二匹の爆竜が上陸!
それを迎え撃つべく、爆竜が集結!!

仲代先生も「暑苦しいのは好きじゃないが」と言いながら、トップゲイラーとステゴスライドンに好きにしていいと許可を出すあたりがにくいです。

そして朝日の中、また真夏の太陽の下で会うことを誓いながら爆竜チェンジ!!
爆竜対爆竜、アバレンジャー対ガルヴィディの戦闘開始!!

アバレンジャーたちは劣勢になりながらも、ダイノガッツを爆発させてアバレモードへ!!
怒涛の大反撃!
しかし、決め技の所で反撃を受けて、爆竜合体を許してしまう・・・
氷河になった東京で、こっちも負けじと爆竜合体!

アバレンオー対バクレンオー!!

しかし、伝説になっただけの爆竜の強さの前に苦戦し、ドリルまで取られてしまうアバレンオー!
「武器ってのはこうやって使うんだよ!」というだけあって、中々にかっこいい攻撃を繰り出して、アバレンオーを窮地に陥れる!
声優・古川登志夫さんがいい味を見せてくれます!

ここでアバレブラックが氷付けになってしまっていた残りの爆竜を解凍!
復活した爆竜たちの猛追で、危機を脱するアバレンオー。
トップゲイラーとステゴスライドンの力を借りて、キラーアバレンオーに爆竜大合体!!

爆竜ブラキオサウルスの背から滑り降りる事で加速をつけて、そのまま必殺の”爆竜マルチコンバイン”を決めてくれます!

情野・陸・薫『おおおおおっ!』

次々と爆竜を変えるその攻撃は実に見事でかっこいい!!
さしものバクレンオーもひとたまりもなく爆発・敗北。

飛び出したガルヴィディからバクレイザーを取り戻したアバレッドとティラノサウルスのコンビネーションアタックがガルヴィディを打ち砕き、完全勝利!!
実に爽快に決めてくれました。

戦い終わって。

結局王女は幻だったのか、と嘆く皆の前に剣からフリージアの幻が。
全てを見届けていたと語って、王女様の面目躍如をしてから剣こと消えてしまいました。

薫「アスカさんが実に残念そうでしたねー」
陸「逆に凌駕は実にさっぱりした顔だな」
情野「凌駕にしてみれば、ガルヴィディが騙った”意志”を、本物が本当に持っていた事が分かればそれで十分だったんだろうな」

綺麗にしめた後は、恒例の敵味方入り混じってのエンドダンス!
テレビ版と”逆”なのが笑えました。

さらに、最後のオチまでつけてくれました。
「ファイズに出してやる~!」
最後の最後まで実に楽しい映画でした。


・・・そして。

情野「待ってました!」

僕にしてみれば本命である、ファイズがゆっくりとその幕を上げていく・・・・・!

スマートブレイン本社。
そこに侵入する武装した一団。
彼らは手近な女性社員に銃を突きつけ『帝王のベルト』なるものの在りかを聞きだそうとします。
しかし、その女性の顔に奇妙な模様が!

陸「これがオルフェノクか・・・」
情野「その通り」

次の瞬間、女性社員はオルフェノクに変化。
銃の乱射を浴びるも効果なし。

そこにスマートレディ登場。
相変わらずの調子で煽ってくれます。

彼ら・・・人間解放軍は無数のオルフェノクの前に歯が立たず、撤退していきます。
そのリーダー格である、水原が危機に陥った時。
黒いサイドカー・・・サイドバッシャーとともに草加雅人登場!
コード913をカイザフォンに打ち込み、仮面ライダーカイザに変身!!
初っ端からグランインパクト炸裂!

情野「ここではじめて”普通人”が怯えたな」
陸「でも”普通人”と言っても、全員・・・・・」
薫「そう。ここでもう分かると思うけど、普通の人間はもう殆どいないのよ・・・」

『彼ら』にしてみれば人間は取る足らない生き物。
彼らが恐れるのはスマートブレイン、そして、オルフェノクを越える力を与えるベルトの力だけ。
だから、彼らがカイザを見て逃げ出したのは、一般の人がフル武装した軍人が暴れまわるのを見て逃げるのに等しいわけですね。

陸「その例えはどうかと思うが」
情野「うるさい」

その隙を付いて逃げ出す水原。
しかし、どうみても怪しい、銃器を持った男を、皆意識すらしない。
オルフェノクに支配された世界ということをまざまざと見せ付けられながらタイトルへ。

『仮面ライダーファイズ・パラダイスロスト』

陸「あれ?さっきのライダーはカイザって言うんだろ?ファイズは?」
薫「見てれば分かるから」

水原が逃げた先。
そこはどうにか生きている人間達が細々と暮らす居住区。

その一角で食い入るようにTVを見る人間達。
スマートブレイン襲撃の事、その際死んだ人間が六人、オルフェノク化したものはいなかった事を告げるニュース。

陸「オルフェノクは人間をオルフェノクにすることができるわけか」
薫「でも、そうなる人間は限られていて、殆どの人間は死んでしまうの」

そこに逃げてきた水原が入ってくる。
その水原を引っ叩く少女・・・園田真理。
彼女は水原の勝手な行動で仲間が死んだことを激しく怒っていたのだ。
それを抑える青年、菊池啓太郎。

水原は何処吹く風で、役に立たない武器を作った野村博士を罵り、『帝王のベルト』を手に入れなければ人間が滅ぶ事を主張する。
真理はそれらを否定する。
そしてかつてファイズとなって戦った乾巧の存在を語る。
彼はかつて一万人のライダー部隊の前に敗れ去り、行方不明になっていた。
真理はその帰還を信じていて、彼こそが救世主になりうる存在だと思っていたし、啓太郎もそれを支持していた。

そこにカイザギアの所持者、草加雅人が帰って来る。
彼は帝王のベルト、ファイズいずれも必要なく、自分こそが救世主になると主張する。
そこに協調性という言葉は存在しない。

陸「・・・駄目だなこりゃ」
薫「確かに」
情野「人間自体の数が少ない上にこうも統制が取れていないのは問題だよな。
さらに言えばこれで草加がもう少し柔らかい人間なら、いろいろ状況も変わっていたんだろうけど」

所変わって同じ居住区を歩く三人・・・木場勇治、長田結花、海堂直也がいた。
彼らはオルフェノクでありながら人間との共存を目指す存在だった。
しかし、人間から見れば彼らは異形の存在でしかなかった。

情野「その中に見た事のある方がいましたね」
薫「分からない人は仮面ライダーアギト、龍騎を参照してくださいね」
陸「・・・何処の回し者だよ、あんたら」

非難を浴びる彼らを庇った少女・ミナ。
彼女もまた居住区に暮らす人間なのだが・・・

陸「・・・あれ?このミナって子と暮らしてる奴は・・・ファイズに変身してた奴じゃないのか?」
情野「・・・どうもそうみたいだな」

ファイズこと乾巧は記憶を失い、何故かミナの幼馴染、隆として暮らしていた。
それから時が少し流れて。
真理は、人間達のそんな暗いムードを見かねてか、仮面舞踏会を開く事を提案、実行に移す。

情野「その辺はどうも少しカットされてるみたいだな」
薫「そう思い立った経緯とかがないと分かりづらいのは確かですね」
陸「・・・どうしてそんなことが分かるんだ?」
情野「パンフレットの最初のページに舞踏会のチラシを配る真理と草加のツーショットがあったけど、劇中にはそのシーンがなかったからな」
陸「・・・目ざといな、お前」

まあ、ともかく。
それチラシを受け取ったミナは隆に一緒に参加しようと勧める。
隆は興味はなかったが押し切られて、舞踏会のための彼女の靴を作る事に。

その頃、木場たち三人はスマートブレイン社長・村上(何故か首だけ)と面会していた。
オルフェノク側に付かない三人に最後通告を渡す社長さんはさらに人間を襲うのはオルフェノクの愛だと語る。
三人はそれをあくまで否定。

情野「はっきりと人間を庇う海堂がいいな」

その三人を排除しようと、社長さんの命令を無視して襲いかかろうとするオルフェノクたち。
社長さんはその制止の為、そして『帝王のベルト』の存在、力を見せ付ける為に一人の青年を呼び寄せる。
青年・・・レオこそ『帝王のベルト』の所持者だった。
レオはサイガフォンにコード315を入力し虚空に投げ出して掴み取り、サイガドライバーにセット!
青いラインが駆け巡り、仮面ライダーサイガに変身する!!

情野「おおー!!」
陸「変身ポーズがかっこいいな」

青いラインということはカイザよりも一段階、高出力ということ。
その力を持って三人のオルフェノクを瞬殺し、その力をまざまざと三人に見せ付ける。

薫「アクションが洗練されていて素直にかっこいいですね」
情野「公開前は動きが心配だったけど、全然問題なしだな」

その後、ベルトの保管庫らしき場所に向かうレオ。
サイガドライバを置くその横には、もう一本、黒いベルトが。

社長さんはというと、さらに”上の存在”と会談。
その中で、社長さんは黒いベルト・・・オーガドライバの適格者はすでに見つけていると不敵に笑う・・・・・

その頃居住区に戻った木場さんたちは『帝王のベルト』のことを人間解放軍に知らせ、今こそ行動の時だと語る。
その『行動』とは、潜在的に存在するであろう人間との共存を望むオルフェノクを仲間につけること。

しかし、それを水原たちは一蹴する。
彼らにしてみれば人間を殺すオルフェノクはまぎれもない敵で、木場さんたちはその仲間にしか見えないのだ。
それに対し、真理は人間もオルフェノクも変わらない事を声高に主張する。

情野「確かにそうだよな。生き方が個人個人の精神性によるのはオルフェノクも人間も変わりないわけだし」

しかし、そこにライダー部隊が来襲する。
水原たちは木場たちの密告に他ならないと決めてかかりながら戦闘体勢に。
・・・勿論、そんな事はない。
誰も気付かなかったが、その場所には一匹の青い蝶が存在していた。
おそらく、それで状況が筒抜けだったのだろう。

薫「木場さんたちを泳がせたのはスマートブレイン側の策略だったんでしょうね」

真理と木場さんは頷きあいながらそれぞれの戦場へ。

陸「心中は複雑だが、真理は信じていたんだろうな」
情野「それとは対照的に啓太郎は微かに戸惑い、疑いを感じているように見えたな」
薫「信じたいけど、100%は信じられない・・・辛いですよね」

居住区を暴れ回るライダー部隊。
人間達はそれに必死に応戦するが不利は明らか。
さらにそこにサイガが現れる。

それに対抗するように草加雅人が登場。
真理の肩を安心させるように軽く触ってから変身、サイガに挑む!!

立ち合う両者。
しかし、徐々にカイザをサイガが圧倒していく!
不利を感じたカイザはサイドバッシャーを変形させるが、その脚部を破壊された隙を付かれ、上空高くから武装バスに叩きつけられる!!

爆発とその衝撃で外れるベルト。

ベルトは啓太郎のところに落ちる。
ボロボロの草加は這いずりながらもそれに向かうが・・・その近くにサイガが舞い降り、変身を解除する。
レオは草加に何事かを語るのだが・・・

情野「・・・言葉が分からないな・・・・」
薫「でも、絶対の余裕しか感じ取れない・・・」

それとは対照的な表情の草加。
そこにあるのは焦燥、そして、死の恐怖。

そして。
無情にも、その身体を一本の異形の指が貫く。

陸「・・・やられた」

信じられない。
そんな馬鹿な。
そんな表情を残して、草加雅人は灰と化した。

情野「正直、かなり衝撃だったな・・・」
薫「あの草加さんがこんな最期を遂げるなんて・・・」

それにより、この物語の凄まじさを改めて認識させられてしまいました。

そしてさらにカイザのベルトを奪おうと啓太郎、真理に詰め寄るレオ。
そこに木場さんたちが立ち塞がる!

木場さんが疾走態となれば、長田さんは空中戦を挑む!
しかし、それでも不利は否めない。
そこに海堂がサイドバッシャーの一撃を浴びせ掛ける!!

それにより多少はダメージを負ったのか、サイガは撤退。
それを追う様に、ライダー部隊も撤退。

戦闘は終わったが、その爪痕は深い。
中でも唯一オルフェノクに対抗できたカイザギアの適格者・草加雅人を失ったのは大きな痛手だった。

それを埋めるべく(?)野村博士は新発明を生み出す。
名付けて『変身一発』。
これを飲むとカイザに変身できると博士は啓太郎に語るのだが・・・

野村博士「しかし!変身すれば・・・お前は死ぬ!」

情野「・・・元々変身したら死ぬだろう」
陸「・・・改善されてないじゃないか」

野村博士「だが、私は天才だ。もしかしたら死なないかもしれない!」

薫「・・・そんなアバウトな」
情野「でも、確かめるために変身して死んだらそれまでだしな・・・」
陸「駄目じゃねーか、それ」

所変わって舞踏会会場。
しかし、あれだけの事があった以上、人々にそれに興じる余裕などありはしなかった。
一人で来るはずもない参加者達を待つ真理。
そこに先に行くように言われた隆が現れる。

二人だけの舞踏会。

ミナも遅れてやってくるが二人の姿に言い様もない気持ちを湧き立たせて、その場から立ち去ってしまう。

靴を作ってもらったのに。
せっかく服を作ったのに。
たった一人の、隆のためだったのに。

そんなやるせない気持ちからドレスを燃やすミナ。
でも、隆が作った靴だけは燃やせなかった。

一方、真理は隆に巧の面影を感じ取る。
だが、巧の記憶がない以上、それは気のせいに過ぎなかった。

曲が終わり、別れる二人。
そこに再びライダー部隊が現れる!
その拍子に隆の仮面が外れ、真理は隆が巧である事に気付く。

逃げる隆はライオトル―パーに弾き飛ばされる。
しかし、その衝撃と助け起こそうとする真理の手に触れたことで巧としての記憶が甦る!!

巧は戸惑いながらも真理に導かれて逃げていく。
その先で、ガラクタを漁る真理。
その中から現れたのは、ファイズギア!!

巧「そういや散々いじめてくれたっけな、お前ら」

巧節を炸裂させながらコード555を入力!
赤いラインが虚空を走り、仮面ライダーファイズ、復活!!!

陸「おおお!暗闇に光るラインがかっこいい!」
情野「ついに真打登場だ」

のっけから全開のファイズ。
通常時の1000倍の速さで活動できるアクセルフォームに!

ファイズの姿が消えて戸惑うライダー部隊。
その頭上に十数の紅のポインターが!!!
必殺のクリムゾンスマッシュは全て突き刺さり、一瞬で彼らを撃破!!!

情野、陸、薫『おおおおおおおおおおおっ!!』

そのファイズの復活に導かれ、かつての愛機オートバジンがバトルモードで飛来。
ビーグルモードに変形したオートバジンに乗って疾走したファイズは残りのライオトルーパーを撃破!

・・・その一部始終を見ていたミナは愕然とした表情を浮かべていた・・・

乾巧の帰還。
しかし、啓太郎や真理を除いた人間達はそれを手放しで喜ばない。
特に水原は疑念の眼差しで巧を見ていた。

ファイズギアをはじめ、ライダーズギアは普通の人間では扱えない。
そこから巧がオルフェノクではないのかと言いがかりをつけ、さらには救世主伝説を継ごうと、巧にファイズギアを譲るように提案する。

それに対し巧は。
巧「やだね。第一あんたの顔が気に食わない。小学校の頃、俺を班長に推薦した奴の顔に似てる」
と水原を一蹴。


情野「・・・おいおい」

これには劇場内のあちこちから笑いが洩れていました。

そんな巧を庇うように真理が語った救世主説に表面上はうんざりする巧。
真理はそんな巧を強引に外に連れ出していく。

そうしている間にもファイズ復活は居住区に広がり、それは木場たちの耳にも入る。

一方真理に髪を切ってもらった巧は、乾巧に戻る前にやる事があると、ミナの元へ。
ミナは自分の父が巧の記憶を操作した事を語る。
それは、がさつで友達がいない自分のためにした事だと語り、記憶が戻った以上もう仲良くなれないと悲嘆に暮れる。
だが、巧はそんなミナを受け入れる。
それを受けて、表情が明るくなるミナ。
そして、倒れていた時に巧が持っていたものを渡す。

そこに水原が現れる。
目的はファイズギア。
そして、それを唯一扱える乾巧の命。

巧を殺そうと銃弾を放つ水原。
それをミナが庇う。
水原はそれを見て、怯えるように逃げていく。
それには構わず、巧はミナの下に留まる。
だが、彼女の傷は致命傷だった。
赤い靴を抱きながら息を引き取る彼女の脳裏には、隆と自分が踊る姿が映っていた・・・

情野「やるせないよな・・・なんで、こんな事で彼女が死ななくちゃいけないんだろうな・・・」

一方、逃げた水原の前に木場が現れる。
木場はファイズギアを巧に返す事を主張するが、水原は拒否、ファイズギアを使おうとするが・・・

陸「あちゃ。弾かれたな」

木場は弾かれたファイズギアを拾いに行くが、それを水原が銃、そして手榴弾で阻む。
手榴弾の爆発に水原は笑うが、その腹部には爆発で弾かれた木場さんことホースオルフェノクの剣が突き刺さっていた。

情野「完全に自業自得だな」
陸「・・・でも、何というか哀れだな」

その結末にただ無言の木場さんは静かに刺さった剣を倒れた水原から引き抜く。
・・・それを影から見てる男がいたのだが。

朝の川辺で語る巧と木場。
TV版では正体を知らず殺しあっていた(上映当時)だけに、なんというか清々しいです。

と、そこに海堂と結花を引っ張って昨日の男が現れる。
彼は木場が水原を襲ったと主張し、その疑いを晴らし自分達に信用されたいのなら『帝王のベルト』を
奪って来いと言う。

薫「・・・自分勝手な」
陸「この場合誤解かどうかなんて関係ないんだろうな。
オルフェノク・・・木場が水原を襲ったという事実があれば」
情野「自分らのリーダーが死んだことでさえ、口実にしかならないのか・・・」

結局、木場たちは巧たちに迷惑をかけまいと居住区を出て行く決意をする。
去ろうとした矢先、オルフェノクの力なのか、遠距離の巧と真理の会話が耳に入る。

真理は、巧がオルフェノクではないかと言われた時、そうなら嫌だと思った事を語り、もしかしたら自分は嘘つきなのかもしれないと洩らす。

その後、三人は『帝王のベルト』を奪いにスマートブレイン本社へ。

薫「真理ちゃんの言葉が木場さんに決意させたんでしょうね・・・」
陸「・・・多分、木場は真理に少なからず好意を持ってたんだろうな。
そうじゃなきゃ、無理だとわかっていて強行しなかっただろう」

しかし、それは最悪の結末を生むこととなる。
最大のオルフェノク・エラスモテリウムオルフェノクが彼らを待ち受けていたのだ。

圧倒的な巨体と力。
海堂を庇い、結花は攻撃を浴びて地面に倒れ付す。

海堂はここではじめて結花に対する思いを吐露する。
だが、全ては遅かった。
安らいだ表情で息を引き取る結花。
激昂する海堂は無謀にも挑み、結花に手を差し伸べながら、殺されてしまう。

情野「見ていて一番辛いシーンでした・・・」

一人残った木場は絶望を知る。
人間・・・真理がスマートブレインに三人を売り、そのために二人が木場の目の前で殺されたことで。
・・・その真理が偽者だと気付くことなく。

薫「悲しい事ですが、やはり木場さんも人間を信じ切れなかったんですね」
情野「あれだけの事を直視すれば無理もない・・・そう思う」
陸「人間を信じるには、信じるに足る人間があまりにも少なすぎたんだろうな・・・」


今まで自分がやってきた事はなんだったのか。
・・・激しい絶望のみが彼を責める。

一方、再び居住区ではライダー部隊による襲撃が行われていた。

巧はファイズに変身し応戦する。
そんな中、訪れた真理の危機に啓太郎は決断を下す。

啓太郎「やらなくちゃいけないときがあるんだ!!」

重い決意の中、変身一発を飲んでカイザに変身!!
怒りのゴルドスマッシュが見事オルフェノクを粉砕する!!

陸「おお!」
情野「そのキックのスタイルが草加じゃなくて巧寄りだったのが啓太郎君らしかったなー」

無事オルフェノクを倒した啓太郎。
しかも身体に異常はない。
喜ぶ博士と啓太郎君、そして真理だったが、『ERROR』の音声が響き、ベルトが砂に。

薫「ありゃりゃ」
陸「でも、死ななかっただけよかったよ」

和む三人の前にサイガが舞い降りる。
その狙いは・・・真理!
ファイズ・・・巧が駆けつけるも、サイガは真理を連れ去っていく。

捕まった真理は一万人のオルフェノクが集まったホールの中央に鎖で繋がれて、その目の前にはエラスモテリウムオルフェノクが!!
それは、反乱軍の象徴である真理を惨たらしく殺す事で反乱軍の戦意を喪失させようとする村上の策だった。

一方、巧はファイズギアを持っていることから人間達に疎んじられてしまう。
巧はそれを否定することなく居住区を出て、真理の救出に向かう。
啓太郎もそれに付いていこうとするが、巧の策によりバイクを壊されて、共に行くことを封じられてしまう。

情野「何だかんだ言って、啓太郎の事を考えてるんだよな・・・」

その頃、スタジアムではカウントダウンと共にエラスモテリウムオルフェノクが解放されていた!
そこに間一髪到着する巧。

ファイズショットで真理の鎖を切って、変身!

しかし、エラスモテリウムオルフェノクの前にはさすがの巧も苦戦を強いられる。
オートバジンさえもあっさりと破壊されてしまう。
だが、それでも諦めることなく挑むファイズはファイズエッジで斬りつけた後、クリムゾンスマッシュを繰り出そうとするが・・・!

そこにサイガが登場!
実質カイザを倒した空中からの投げ技を敢行しようとするも、うまく脱出される。
アクセルフォームに変わったファイズは、サイガの飛行ユニットを破壊!
少しずつサイガを追い詰める!

スタジアム中央に弾き出されたサイガは最後の勝負をつけようとフライングアタッカーのトンファーエッジを抜き放つ!!
それに対しファイズは真理から受け取ったファイズエッジを叩きつける!

光の交差!!

それを制したのはファイズ!
ヒットした瞬間、出力を最大にしてサイガを切り払う!!
Φマークが虚空に輝き、サイガは砂となって崩れ落ちた・・・!

安堵する巧たちだったが、次の瞬間、観客席から『オーガ!オーガ!』という叫びが響き渡り、扉の向こうから一人の男が姿を見せた・・・その姿は、なんと・・・

情野「・・・木場勇治さんか・・・」

CMでわかっていた事ですがやはりショックでした。

木場は自分にはオルフェノクとして生きるしか道がないと叫び、コード000でオーガに変身!
巧に挑む!!

圧倒的な強さに追い詰められる巧。
変身も解除され、あわやというその瞬間!!

巧の顔に模様が、浮かび上がり・・・ウルフオルフェノクに変化!!

情野「なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」

かなり驚きました。
TV版からその可能性が示唆されていましたが、まさか本当にそうだとは思っていなかったのです。

驚く人々。
真理もまた驚き、戸惑う。
その愕然とした時、真理は再び捕えられてしまう・・・!

一方、素早い動きで木場を翻弄しつつ、巧は木場に「理想は捨てたのか!?」と問いただす・・・!
木場はそれを肯定、だからこそ仲間・・・オルフェノクであっても巧を倒すと宣言する・・・!

巧「・・・いいぜ。その代わりお前の理想は俺が継ぐ!!」

木場からホースオルフェノク、そしてオーガへ。
巧からウルフオルフェノク、そしてファイズへ。

二人の拳が叩き込まれる!

だがやはり強さの差は埋めきれないのか大きく弾き飛ばされ、地面に転がるファイズ。
そのままで真理に問い掛ける・・・!

巧「・・・おい、なんだったっけ?救世主は何をするんだ!?」
真理「・・・光を・・・」
巧「聞こえねーよ!」
真理「闇を切り裂き、光をもたらす!!」
巧「・・・難しいなー、お前の注文に答えるのも・・・・」
真理「できるよ・・・!だって、巧は・・・巧だから!!」

その言葉に支えられ、再び立ち上がるファイズ。
その手にはミナから渡されたファイズブラスターが!!

555・ENTER・・・・・COMPLETE!!

ファイズの姿が紅に染まる!!
ファイズの最終形態、仮面ライダーファイズ・ブラスターフォーム!!!

進化を遂げたファイズはオーガを圧倒する!
だが、オーガもまた真の力を解放する!!

クリムゾンスマッシュ対オーガストラッシュ!!

そのエネルギーの余波はスタジアムを切り裂き、エラスモテリウムオルフェノクさえもたじろがせる!!!

互角・・・だが、やがてファイズの紅の光が金の光を打ち砕く!!

倒れ付すオーガ・・・だが、まだ真理の危機は去っていなかった。
真理に襲い掛かろうとするエラスモテリウムオルフェノク!!

それをオーガ・・・木場が阻む!!

だが、攻撃を受け、傷ついていく・・・!
真理を、木場を救おうとファイズの最後の一撃が解き放たれる。
灰になっていくエラスモテリウムオルフェノク・・・

その傍らで木場は倒れる。

木場「約束して・・・俺の夢を継ぐって・・・・」
巧「・・・ああ・・・・!」

青い炎に包まれていく木場。

一方二本のベルトを失った村上はスマートレディの手によって処刑されてしまう。

去ろうとする真理と巧。
それをオルフェノクたちが言葉なく遮る。

巧「・・・どけ。俺が通る道だ」

その言葉にオルフェノクたちは一人、また一人と道を開ける。
その中を通り抜け、光の先に向かっていく二人・・・・・

真理「ねえ、何処に行くの・・・?」
巧「・・・行けるところまで行くさ」

そして、JUSTIΦ‘SーAccel Mixーが流れ・・・終局。

薫「・・・すごい映画だった・・・素直にそう思います」
陸「アクション、ストーリー、映像・・・どれも非の打ち所がなかったな。
特にクライマックスでの音楽と映像のリンクはすごかったと思う」
情野「平成ライダー映画シリーズでは最高傑作だと思いました」

まさに『ファイズ劇場版』ではなく、ファイズという名の映画作品でした。


この映画に出てきた人々は、人間であれ、オルフェノクであれ、自分が目指す何かのために懸命に生きて、死んでいきました。

巧、真理、木場、海堂、結花、啓太郎、草加、そしてミナや水原もそうでした。

”人間”の弱さ、醜さ。
それと対になる強さ、美しさ。

それを真っ直ぐに感じる事のできる映画だったと思います。


薫「レポートというよりはあらすじを書いたようになってしまいましたが、ご了承ください」
情野「それではまた、次回、何かのレポートで」